マンガ作品の実写映画化を巡って、2つの作品における違いが浮き彫りになっている。まずはジャニーズを巻き込む騒動になったのが「ジョジョの奇妙な冒険」だ。嵐の松本潤が主役を務めることで話が進んでいたが、原作者が松本の起用に難色を示し、一転して主役が山崎賢人に変更。これにジャニーズ側が激怒したというのである。
それと好対照なのが「東京喰種トーキョーグール」だ。こちらでは原作者直々のご指名で窪田正孝が主役を務めることとなり、ジャニーズは最初から蚊帳の外だった。両作品は同じ出版社が発行しており、このような違いが出たことは不思議に思える。そのからくりを映画ライターはこのように推測する。
「ジャニーズがマンガ原作の映画に所属タレントを押し込んでいるのが明らかです。Hey! Say! JUMPの山田涼介は『暗殺教室』に続いて『鋼の錬金術師』の主役に決定。Sexy Zoneの中島健人は『黒崎くんの言いなりになんてならない』で主役を務めています。とはいえ、マンガ原作ならどんな作品でもいいというわけでもなさそうで、作品を選んでいる節が伺えます」
これらの作品では、主役がれっきとしたヒーローとして描かれているのが共通点だ。「黒崎くん…」の主人公はドSキャラだが、映画の内容はいわゆるスイーツ系で、女子にモテモテのイケメンといういかにもジャニーズ向きの配役だった。それに対してジャニーズが敬遠する作品とはどんなものか。前出の映画ライターが指摘する。
「いわゆるダークヒーローものですね。『東京喰種』の主人公は、人間を食べる喰種(グール)の性質を身につけてしまった半喰種。ほかには10月公開予定の『デスノート Light up the NEW world』にもジャニーズは関わっていません。ジャニーズのタレントはコンサートでスポットライトを浴びて輝くのが仕事ですから、ダークヒーローは彼らのイメージにそぐわないと判断しているのかもしれませんね」
ジャニーズと揉めることを避けたい出版社は、まずはダークヒーローものから実写化を進めたほうがいいのかもしれない。
(金田麻有)