人間には“変化を好まない”という性質があります。「こうすれば今よりもっと幸せになれる」と分かっていても、リスクがほとんどなくても、そうしないのです。
その気持ちが、人一倍強い人もいます。心理学では通称【しあわせ恐怖症】と呼ばれています。この症状については、米テキサス大学オースティン校の精神科医キャリー・バロンが、アメリカの雑誌「サイコロジー・トゥデイ」に執筆して話題になりました。
幸せを恐れる人は、過去に大きな失敗を体験し、学習しているケースが多いです。そのため、「あのときは○○をして失敗した。だから今後も自分は同じ過ちを犯すに違いない」と思ってしまうのです。
そもそも、過去と現在って、実は違うケースなんですよね。付き合う相手も違えば、その人自身も変化している。だけど、やっぱり過去の記憶が邪魔をして、「自分はうまくいくわけがない」「幸せになどなれるわけがない」と考えてしまうわけです。
中には、彼からのプロポーズを断ってしまう人もいます。彼とは結婚したくないわけではなく、本当は大好きで別れたくない。だけど、心のどこかで「自分には資格などない」と考えてしまい、今以上に幸せになる覚悟を持てないのです。
こういう心理状態の人は、交際すらできない場合もあります。タイミングがよくてたまたま交際はできても、心の中でもうひとりの自分が「あなたはもう、それ以上幸せになってはいけない」と囁くのです。すると、いてもたってもいられず「彼と別れなければ……」という心理状態になるのです。
こういうことって、長い時間をかけてできた性質によるもの。でも、時間をかければ抜け出せます。そのために、まずは運動を習慣化してみるのがオススメです。
運動といってもガシガシ行う筋トレとかではなく、1分でできるものばかりで十分。大切なのは、心をリフレッシュして恋愛に前向きな気持ちになることなのです。ダイエットや筋肉ムキムキが目的ではないので、次のような“頑張らない”軽い運動から始めてみましょう。
■目が覚めたら、布団の中で思いっきり伸びをする/両手でこぶしを作り、こめかみ辺りに当ててグルグル回す/首が伸びるように意識しながら、頭をゆっくりグルグル回す/椅子から立ち上がるときに片足立ちする
他には、気が向いたときにラジオ体操をするのもよいでしょう。ほどよくカラダがほぐれます。カラダがほぐれるとココロもほぐれます。
これらの運動は、自分が幸せな空間にいるというイメージを持ちながら行ってみてください。目を閉じて、好きな色を思い浮かべて、心地いいソファやベッドで、リラックスできる飲み物などに囲まれているイメージの中で身体を動かします。最初の1~2週間は、それほど心の変化に気付かないと思います。ですが、続けていくときっと次第に変化を感じることができますよ。
心を込めて身体を動かすことで、ポジティブ思考になれます。さまざまな価値観を受け入れられるようになります。そして、好きな人からのプロポーズを断るという“もったいない選択をしない”心へと変化していきます。自分で自分の幸せを作っていけるようになるのです。ただし、気を付けたいのは、完璧主義になって頑張り過ぎないこと。逆効果になってしまいます。
カラダからのアプローチで心を解放し、ぜひ恋愛上手になってくださいね。
安藤房子(あんどうふさこ) 恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テストの作成やメディアでMCとしても活躍中。