国政レベルで初の18歳選挙となった今回の参議院選挙では、各テレビ局の選挙特番に10代タレントが登場。「FNNみんなの選挙2016」(フジテレビ)ではモデルの藤田ニコルが「ふあっ! て思う人に入れました」などの発言でスタジオをざわつかせていた。その藤田が目立ったことで、“政治大好きタレント”をウリにしている春香クリスティーンが割を食ったという。テレビ誌のライターが指摘する。
「番組内では司会の宮根誠司らが藤田にコメントを求めるシーンが目立っていました。特集企画のVTRでも、藤田やお笑い芸人の厚切りジェイソンらが自分のキャラを活かした内容だったのに対し、春香のほうは女子アナの代役的な役回りがほとんど。自らが得意とする選挙の場において、さほど存在感を示すことができなかったのです」
藤田は同番組の企画で国会議事堂を訪れ、安倍首相を見て「生のほうがイケメンだった」とつぶやいたり、議員食堂で国会カレーを堪能したりと、政治に興味がない18歳の代表という役割をこなしていたようだ。それに対して春香は各党の本部を訪問したり、若者の貧困について市民にインタビューするなど硬派な面を発揮。だがその役割を春香が担う必然性があったのか、疑問に感じる視聴者も少なくなかったことだろう。
「春香の弱点は、政治大好きタレントには決して、政治そのものを語る役目は求められていないということです。たとえて言えば、サッカー大好きタレントに、サッカーの技術解説を求めないのと同じこと。しかも選挙をテレビ的にショーアップするなら、今が旬のタレントを連れてきたほうが効果的なはず。今後の選挙特番で春香に求められる役割はかなり限定的なものとなりそうです」(前出・テレビ誌ライター)
そんな限定的な役割で、しかも18歳のモデルに存在感で負けようとも、選挙のたびに出番が回ってくるのであれば、政治大好きの肩書きにこだわり続ける意味はあるのかもしれない。
(金田麻有)