法律違反の薬物で社員が逮捕され、格闘技イベントの「THE MATCH 2022」は急遽生放送を取りやめることに。さらに、平日昼の情報番組としてスタートしたばかりの「ポップUP!」では、スタッフがパワハラを理由に自死未遂を起こしたと報道されるなどトラブル続きのフジテレビ。かつてとんねるずの番組を中心として大活躍した港浩一氏が新社長に就任する予定だが、前途多難な船出となってしまいそうだ。
「フジテレビは、今年始めに行った早期退職者制度で給料の高いベテラン社員をリストラして身軽になった上で、港氏にバトンタッチするつもりでした。しかし、社長就任が明らかになってからさまざまなトラブルが出たことで、社長就任前からピンチとなっています。一部では、週刊誌に狙い撃ちされたのではないかと噂が出るほどに、ついていない状況になっています」(フジテレビ関係者)
港氏は社長就任後に新たな番組開発が責務としてあげられているという。かつて、フジテレビ時代にはバラエティを中心にヒット番組を制作。フジ系列の共同テレビジョン社長時代もNHKで放送して人気の「チコちゃんに叱られる!」を立ち上げるなど、クリエイターとしての才能は枯れていないという。
「共同テレビで社長を務めたおかげで、バラエティだけでなくドラマや映画の制作にも港氏は関わりました。視聴率が悪くスキャンダルも出た『ポップUP!』のリニューアルを始め、バラエティからドラマまで、かなりの番組にテコ入れをすると言われています」(民放関係者)
そんな中で、港氏が目玉として考えているのが、元SMAPのメンバー「新しい地図」の起用だと言われる。
「港氏は統括していた番組でたびたびSMAPを起用し、当時のマネージャーで現在の新しい地図のプロデューサーでもある飯島三智氏と関係性が深い。そもそも、メンバーはフジテレビの仕事で代表作が多く、起用したいという声は現場から上がっていました。港氏はジャニーズ事務所と協議をして、新しい地図の『解禁』を取り付けると話しているようです」(前出・フジテレビ関係者)
メンバーの中で、港氏がもっとも注目しているのが草なぎ剛だという。
「草なぎは数多くのヒットドラマをフジと制作してきました。今回の早期退職者制度で『ルパンの娘』や『翔んで埼玉』などを手掛けた映画監督の武内英樹氏がフジを去ってしまいました。港氏は映画製作をフジ復活の目玉と考え、過去に草なぎが主演を務めた『任侠ヘルパー』や『銭の戦争』の続編や関連ドラマを制作し、映画作品につなげたいと考えているようです。俳優として評価が高い草なぎを囲うことで、映画製作の主軸俳優として起用していく準備をしたいと狙っているようです」(前出・民放関係者)
現在はNHKでレギュラー番組を持ちながらも、民放各局からは積極的なオファーがなかった新しい地図。港氏の社長就任で、フジが一気に解禁の扉を開くのか。
(渡邊伸明)