俳優・横浜流星の役者としてのプロ意識が垣間見られた瞬間だった。
7月4日、公開中の映画「流浪の月」のティーチインイベントでの発言が注目されている。
5月13日の公開からロングランヒットを記録し、現在でもSNSでは感想をつぶやく声が相次いでいる同作。この日は、主演の松坂桃李、広瀬すずに続き、横浜が李相日監督とともに登壇すると、同作出演による影響について言及した。
横浜は、広瀬とのラブシーンだけでなく、彼女に対する激しい暴力シーンも大きな話題となったが、李監督は撮影前にその覚悟を横浜に問うていたという。
「最初は『挑戦だ』みたいなことを言っていたと思う。『ファンの方は大丈夫?』って聞いたんだけど。下手したら嫌悪感、というより嫌悪感をちゃんと残さないといけない役だし、ファンの方がどう見るかわからないよという話もしたよね」と語る李監督に対し、横浜は「このままだと自分の人気は持って10年。本物にならなきゃいけない」との意気込みで返した。
李監督が「何かを失う恐怖心はなかった?」と同作の役柄を演じる上でのリスクについて聞くと、横浜は「なかったです」としつつ、SNSでは影響があったと告白。「僕、インスタグラムをやってるんですけど、(同作公開前は)277万人のフォロワーがいたんですけど、274万人に減ったんです」と、3万人の“ファン離れ”があったという。
これには李監督も「減ったんだ‥‥。それは責任を感じますね」と困惑しながら、「今残ってる274万人の人は信じられるね」とも。横浜は「そうなんですよ。きっとこれからも作品に出るけど、自分のことをいいと、応援しようと思ってくれる人を大事にしたいと思っています」と語り、フォロワー減についても「自分の中では役者冥利に尽きる」と捉えていると語った。
「ファンに嫌悪感をしっかりと植え付けることが成功とされる難役に臨み、3万人のフォロワー減をプラスに解釈する横浜の姿には、ネット上で『ファンではないけど、この発言は素晴らしい』『役に対して誠実なところがスゴい』『単なるイケメン俳優ではないことがハッキリと伝わった』『今後も応援したくなる発言ですね』などと好意的な反応がありました。なお、7月5日時点では、インスタグラムのフォロワー数はすでに275万人にまで復活。8月には映画『アキラとあきら』、10月にも『線は、僕を描く』と、話題作の公開が控えており、今年中には『流浪の月』公開前の277万人をあっさりと超えるのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
3万人のフォロワー減をもたらした“好演”は、横浜の役者としてのキャリアにおいて非常に意義のあるものだったようだ。
(木村慎吾)