4月期の連続ドラマ「未来への10カウント」(テレビ朝日系)で、かつての“視聴率キング”の名をどうにか保った木村拓哉。スタートからほどなくして、自身の主演作史上初めて1ケタ視聴率を叩き出したが、すぐに盛り返して有終の美を飾ったのだ。
木村といえば、かつては作中で演じた職業の志願者が急増する社会現象を起こした。「ロングバケーション」(フジテレビ系/16年)でピアニスト、「ラブジェネレーション」(フジ系/97年)で広告代理店勤務の会社員、「ビューティフルライフ」(TBS系/00年)で美容師、「HERO」(フジ系/01年、14年)で検事、「GOOD LUCK!!」(TBS系/03年)で副操縦士、「プライド」(フジ系/04年)で実業団のアイスホッケー選手などだ。
また、作中で身につけたアイテムはまたたく間に完売となった。有名なのは「HERO」。型破りな検事・久利生公平がA BATHING APEのダウンジャケットを着ると、プレミアが付く超人気アイテムに。木村の私服だったことが広まると、入手困難となった。
木村の常連店の商品が人気ドラマに登場したこともある。
「横浜・元町にあるオールドアメリカンショップ『Junky CLASSICS』で買った服が、『BG~身辺警護人~』(テレ朝系)の衣装となったことがあるのです。その日の撮影場所がたまたま横浜で、スタッフさんがイメージしている服が見当たらないと木村さんに相談。空き時間に一緒に店を訪れると、ドンピシャの服が見つかった。購入して、以降は“レギュラー出演”しました」(アイドル誌ライター)
木村は、21歳頃からこのショップに通う常連。店長のヴィンテージの趣味が、90年代アメカジ好きの木村とピタリと合った。アメカジ好きが高じて、95年に特番「挑戦!木村拓哉22歳カウボーイ体験記」(フジ系)の撮影のために渡米。ネイティブアメリカンのカルチャーにふれ、部族の儀式に参加した写真を、木村はうれしそうに店長に見せている。
「現地ではアメリカ好きをアピールするため、リーバイスのなかでも一張羅、TonyLamaBootsのウェスタンブーツをはいて、本場のカウボーイと対面しました。が、デニムをちらっと見られた瞬間に、『おまえはアーバンだな。なんちゃってカウボーイだな。俺らみんなラングラーだよ』と小バカにされたそうです。馬に乗るカウボーイの縫製は、内側ではなく外側合わせ。さらに、ラングラーはロデオ大会のスポンサーでもあるので、リーバイスをはく者はエセらしいのです」(前出・アイドル誌ライター)
古着に詳しいのは、草なぎ剛だけではなかったようだ。
(北村ともこ)