今年もお彼岸が近付いてきましたね。その「彼岸」の名がついた「彼岸花」について、少し知識を深めていきましょう。
彼岸花とは、曼殊沙華(マンジュシャゲ)のこと。ヒガンバナ科の多年草で、その名は秋のお彼岸の頃に花が咲くところからつけられたといわれています。
寺院の墓地などに咲くため、ユウレイバナやシビトバナとも呼ばれます。赤くて美しい見た目ではあるものの、ちょっと不気味な雰囲気が特徴です。
そして、毒を持っています。球根に猛毒成分が含まれているのです。その毒性から、昔はねずみなどに墓を荒らされないように、天然の獣害対策として使われていた説もあります。そのために、墓地に多く植えられたというのです。
また、飢饉になったときに、球根を水にさらして毒抜きして飢えをしのいだということも伝えられています。非常食として活用するため、日頃から人々が収穫しないように「彼岸花には毒がある」と広めてイメージ付けしていたようです。
このように彼岸花は不気味なイメージがありますが、とても美しい花です。毒性があることからお供えものとしてはNGとされていますが、お彼岸の時期にお寺や墓地などで見かけたら、その美しさをぜひ楽しんでくださいね。