アイドルには、パブリックイメージを壊さないための嘘が必要だ。SMAP時代、中居正広はグループが天下を獲るために、かつ自身のアイドル寿命を延ばすために、ある嘘をついていた。運転免許は持っていないと主張し続けたのだ。
しかし、本当は20歳で取っていた。およそ2年間も「免許持ってないんですよ~」と言い続け、世間に抱かれていた無邪気なイメージをキープし続けた。警戒心が人一倍強い性格ゆえ、愛車がバレないための防衛策も兼ねていた。
「中居の初代愛車は、日産のシーマです。免許を取って、2年ほど経った22歳の時に購入しています。なぜそんなにかかったかというと、先にお父さんに新車を買ってあげたから。それが生まれて初めての親孝行で、もう収入に不安がなくなってから、色違いを自分に買うまでに2年ほどかかったというわけです」(アイドル誌ライター)
シーマは33歳前後まで乗り続けた。買い替えの時期になって、ようやく購入した2台目もまた新型シーマ。1台目は地元の神奈川県藤沢市時代の高校1年生のクラスメイトが引き取った。その親友と仲良くなったきっかけは、ケンカだった。ガンの飛ばし合いに始まり、殴りあって、親友になった。気づけば、毎日一緒に通学するほどの大親友になっており、今では中居が帰省した際に集まる「じもっちー」(地元の友だち)の1人だ。
ところが、その大親友はシャコタン仕様に改造されたシーマを、中居に内緒で売却した。わずか11万円にしかならなかった。
「中居がその事実を知った時は、学生時代と同じくケンカになったそう(笑)。『あんなの売ったよ。32、3(歳)にもなってあんな恥ずかしいの、乗れるわけねぇだろ』という大親友に、『ひとこと言え、この野郎』とキレた中居。その後に聞かされたあまりの安価に、返す言葉を失ったそうです」(前出・アイドル誌ライター)
シーマは、80年代後半は最高級モデルだった。何度かモデルチェンジを繰り返し、2010年に一度販売が終了。12年に復活したが、今年8月いっぱいで5代にわたって続いたシーマと、兄弟車であるフーガなどすべて生産が終了した。
中居は30代の頃、「国産車にしか乗らない」と断言していた。しかし、大スターとなって安定してからは、高級外車のメルセデスベンツに鞍替えして、複数台所有。50歳の今も外車のままだ。シーマと2年間ついていた嘘は、さすがに風化したか。
(北村ともこ)