フリーアナウンサー・大橋未歩がテレビ東京時代の「理不尽」な日々の葛藤を振り返った。
大橋は2002年に同局に入社するやいなや、すぐに人気の看板女子アナとして君臨。「好きなアナウンサーランキング」上位の常連となり、17年の退社後も、様々なバラエティ番組に出演し続けている。
しかし、そんなテレ東時代には「性を売る」決断を下す必要があったとも回想した。
12月21日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、漫才コンテスト「M‐1グランプリ2022」で、女性コンビ・ヨネダ2000のネタを見た審査員の落語家・立川志らくによる「女の武器を使ってない」との評論を紹介。併せて、その表現に賛否が集まっていることも伝えた。
すると大橋は、自身も局アナ時代に「女の武器」に頼らざるを得ない時期があったと告白。出演する番組では事あるごとに、ボディラインのわかる「ピチッとした衣装を着ていた」と言い、「ある意味、それは自己防衛でもあって。超人気アナウンサーにならないと、この理不尽をはねのけられないと思ったんです」と説明。当時の大橋はまだ“Noと言えない”立場だったようで、「それくらいの力を得るために、売れるのなら何でもやろうじゃないですけど。取材もちゃんとするし、アナウンサー技術も獲得するし、『性を売る』っていうこともしちゃってた」と振り返った。
退社後は「性を売らないということで、グラビアも撮らないって決めて」と売り方を変えた大橋。それでも仕事がある現状を「喜ばしいこと」だと語った。
「当時、テレ東でダントツの美人アナとして絶大な人気を誇っていた大橋だけに、その苦労もひとしおだったはず。街ブラ番組の『モヤモヤさまぁ~ず2』などでは、確信犯的に艶っぽいポーズを取らされることもあり、そうした風潮はテレ東以外のアナたちにとっても悩みのタネと言えるでしょう。20年には、テレビ朝日のYouTubeスタッフが同局の三谷紬アナや弘中綾香アナを使い、明らかに艶っぽい演出を狙いにしたような内容の動画を制作していたところ、弘中アナがそれに激怒。断れない後輩らに対し、『スタッフは私達の将来を無視して、バズらせるためだけに動画を作ってる。皆さん、気を付けたほうがいいですよ』とメールで注意喚起したと報じられています」(テレビ誌ライター)
ギャラでオファーをかける芸能人とは違い、給料制で稼動させられる女子アナという存在は、各テレビ局にとって、ある意味で“使ってナンボ”とも解釈できる。大橋や弘中のように、理不尽と戦えるだけの立場や発言権があればいいが、多くは泣き寝入りせざるを得ないのが現状なのかもしれない。
(木村慎吾)