年末年始に感染者数が増え、改めて不安が高まった新型コロナウイルス感染症。済生会横浜市東部病院の患者支援センター長、周術期支援センター長、栄養部部長の谷口英喜さんによれば、とくに最近は、「重い風邪症状だとオミクロン株BA-5系統に感染している患者さんが多くを占める」そうです。
また、「比較的症状が軽い方が多いのが幸いですが、咳、咽の痛み、痰の症状を訴える方が多いですね。中高年以上の方、疲労がたまっていて免疫力が下がっている方は、やはりそれだけ高熱が続くと身体へのダメージが重なり重症化してしまうリスクがあるので、免疫対策をそれぞれが心がけることが最重要です」と述べています。
まだまだ油断大敵。予防の基本は、普段の行動から心がけたいものです。谷口さんは次のようにアドバイスします。
「まず、人混みに近寄らないこと。これは非常に有効です。マスクも、吸い込んでしまうウイルスを減らせるのでもちろん有効です。うがいをすれば大丈夫とは考えず、なるべく大量のウイルスに接触する可能性のある機会を減らすことが、予防の観点ではオススメです」
食事面では、免疫細胞を“つくる、はたらく、まもる”栄養素を意識して、バランスのよい食事を取ることが大切なんだそうです。ウイルスや細菌が体内に入ってきたときに戦う免疫細胞が、きちんとつくられ、きちんと働き、破壊されにくくするために、積極的に摂り入れるべき栄養素や成分について、谷口さんは次のものを挙げています。
免疫細胞自体をつくるタンパク質/補酵素と呼ばれるビタミン群/ビタミン群のうち、免疫細胞を“つくる、はたらく、まもる”上で注目したいビタミンC、ビタミンB、ビタミンA、ビタミンE/細胞の破壊からまもるフィトケミカルであるポリフェノール/免疫機能を正常にはたらかせるユーグレナの食物繊維パラミロンやヨーグルトなどの乳酸菌
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持ち、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んだ食品です。このユーグレナ特有の成分で、β-グルカンの一種なのが「パラミロン」。近年、その機能性についての研究が進んでおり、免疫細胞を活性化するということが分かっているそうです。ユーグレナは、摂取しやすい市販のサプリメントやドリンクなども販売されていますから、食事にブラスするのもよいでしょう。
まだまだウイルスが猛威をふるうシーズンは続きます。人混みに近寄らないこと、そして免疫のための栄養素を意識した食事を心がけることを徹底してくださいね。