そのセリフにはアイドルオタクも驚きを隠せなかったようだ。
4月24日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第19回では、ミス北鉄の足立ユイ(橋本愛)を目当てに、日本中からアイドルオタクが北三陸鉄道に集結。閑散としていた北三陸に突如として、普段の5倍もの観光客が訪れることになった。
ユイがミス北鉄になる以前から目を付けていたトップオタのヒビキ一郎(村杉蝉之介)は、北三陸市の関係者を相手に「ユイちゃんの潜在能力」が起爆剤になったと指摘。そのヒビキが語った言葉に、未来が予測されていたというのである。
ヒビキは「むしろ今後は足立ユイという100年に一人の逸材をどう活かすか。みなさんのプロデュース能力が問われるでしょう」と主張。その言葉にどんな未来が示されていたというのか。
「この『100年に一人の逸材』というフレーズに、女優の橋本環奈を思い出した視聴者も多かったはず。福岡のローカルアイドルだった橋本の激可愛い一瞬を写した“奇跡の一枚”がネット上で大ブレイクしたとき、自然発生的につけられたキャッチフレーズの一つ『1000年に一人の逸材』をもじったように思えるからです。ところが時系列を追ってみると、この言葉が橋本とは無関係だったことが分かります」(アイドル誌ライター)
橋本を写した奇跡の一枚がネット上で広まったのは2013年11月のこと。同年5月3日に福岡市内で開催されたイベントで撮影された写真であることも判明している。
それに対して「あまちゃん」の第19回は2013年4月22日に放送されていた。つまり、橋本の存在が世に出る前の時点で、「100年に一人の逸材」というフレーズが使われていたのである。
「100年と1000年という違いこそれど、『あまちゃん』では半年後に大ブレイクするフレーズを先取りしていたことになります。脚本の宮藤官九郎は執筆に際してアイドル業界のことを相当調べたはずですが、ファンの間から自然発生したフレーズまで予測できていたのであれば、これぞ天才の為せる技と驚愕せざるを得ません」(前出・アイドル誌ライター)
なお、橋本のキャッチフレーズが「あまちゃん」発だったという可能性もゼロではないだろう。橋本の激カワ写真に驚いたアイドルオタクが、「あまちゃん」を上回る「1000年に一人の逸材」とのフレーズを思いついたという説もありえるわけだ。
仮にそうだったとしても、それは元々の「100年に一人の逸材」というパワーワードの持つ力ゆえのこと。やはりこのフレーズを思いついたクドカンが天才だということに違いはなさそうだ。