終身雇用制度の見直しが議論されている昨今、“個人はどのようなキャリアを描いていけばよいのか”が問題視されています。
そうした中、リクルートは就業者1万人を対象に「キャリア自律/キャリアオーナーシップ」に関する調査結果をオンラインで発表し、働く個人や学生(大学3.4年生)、20代社会人、正社員以外のキャリアの実態や課題についてまとめました。働く個人向けには、キャリア自律のノウハウをリクルートのHR統括編集長である藤井薫さんが解説しています。
調査結果では、「自分のキャリアについて満足している人」は26.5%と約4人に1人で、「キャリア自律できていると思う」人は18.3%しかいないことが分かったそうです。
勤め先会社における課題として、「評価基準が不明瞭」が48.8%、「将来キャリアの展望について、上司や人事と話す機会がない」が43.9%、「自身への評価のフィードバックがしっかりなされない」が41.3%と上位に。将来のキャリアを考える機会が少ないことや、既存の繰り返しの仕事ばかり要求されて将来キャリアの展望について対話がないことが挙げられていました。
これに対して藤井さんは、会社員のキャリア自律のための処方箋をいくつか提供。そのうちのひとつとして、「将来のことを、生活のことも含めて腹を割って話せる人が社内にいること」を挙げていました。また、キャリア自律に影響のある項目を洗い出したところ「職場での対話」が挙がり、しかもそれが支援する仲間という関係で対話をする人にキャリア自律できている傾向が強いことが分かったことから、「仲間も必要」と言っています。
そして、「キャリア自律に影響のある項目は『職場での対話』がとても大事で、さらに上司や部下という関係ではなく“支援する仲間”として対話をしていくことが働く自信に結びつき、キャリアの自律や社会とのつながりの実感につながっていきます」と話しています。
さらに、お客様から「ありがとう」と言われたりするなど、つながりがあることも大事なんだそうです。事例として、SAPという会社では「SAP Talk」と題して、未来志向の対話を日常的に1on1ミーティング(上司と部下の1対1の対話)で行っていることも紹介していました。
あなたの会社では、上司と部下、同僚が、お互いに腹を割って話せていますか? キャリア自律は、仲間との対話が鍵を握るようです。ですから、今からでも積極的に職場で対話の機会を設けてみてはいかがでしょうか。