NHKが、5月18日に救急搬送された歌舞伎俳優・市川猿之助の出演番組の再放送を「止めている」ことを明かしたのは、5月24日。東京・渋谷の同局で行われた定例会見でのことだったが、猿之助はNHKで多くの作品に出演してきただけに、ドラマファンには辛い状況と言えそうだ。
猿之助はこれまで、07年のNHK大河ドラマ「風林火山」の出演を皮切りに数多くのドラマに出演。直近では22年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「岸辺露伴は動かない」にも出演している。
会見では、有料配信サービス「NHKオンデマンド」での猿之助出演作品の今後の取り扱いを問われ、担当者は「今の段階で決まっていることはありません」と回答しつつ「再放送が予定されているものについては止めている」と説明。具体的な番組名などは明かされなかったが、理由については「総合的な判断」とした。
複数のメディアでもこのことは報じられ、ネットでは「『風林火山』を見て、猿之助(当時は亀治郎)さんの演技力や迫力に魅了された一視聴者としては、なんとも残念です」「NHKこそ視聴者は受信料を払っているのだから、視聴者の選択の自由としてほしい。見れなくなるのは、解せないし、製作陣も浮かばれない」「『総合的な判断』とはどのような判断なのでしょうか?理解するための判断材料の提示がありません。判断基準を教えてください」など様々な声が寄せられている。
「猿之助は警察の聴取に対して、家族と話し合って一家心中を決めたこと、睡眠薬を大量に飲んだ両親にビニール袋を被せたことなどを明かしたとも報じられています。そうなると複数のメディアがすでに報じていますが、猿之助が罪に問われる可能性があり、容疑としては殺人、同意殺人、自死ほう助、自死教唆などが考えられます。NHK側が“総合的な判断”として再放送を止めているのもやむを得ないことでしょう」(芸能記者)
特に「鎌倉殿の13人」は先日、脚本を担当した三谷幸喜氏が向田邦子賞を受賞したばかりで人気が再燃中。「岸辺露伴」も5月26日に「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」として映画公開されたばかりだ。
NHKとしても、作品と役者は切り分けるべきなのかどうか、頭が痛いところなのは間違いなさそうだ。
(柏原廉)