9月末、鹿児島県志布志市のうなぎPR動画「うな子」が「女性蔑視だ」と批判を受けて、削除される炎上事件がありました。内容は、スクール水着の「うな子」が男性に向かって切なげな表情で「養って」と語りかけるもの。1年経って、うな子はうなぎだったとわかるのですが、水着の少女を男性が養うというストーリーが行政制作の動画で流れたことが、批判の的になったのです。
また10月には某化粧品ブランドのCMがネットを中心に炎上し、数日で放送中止になっています。
問題となったのは、25歳の誕生日を迎えた女性に、他の女性2人が「今日からあんたは女の子じゃない」と言う場面と、疲れた顔で仕事に励む女性に男性上司が「顔に出ているうちはプロじゃない」と言う場面。これらはいずれも、
「女は25歳すぎたらおしまいってこと?」「女は疲れた顔を見せちゃいけないの?」「オジサンたちの古い価値観を押しつけないで」と女性たちから大反発を買ったのです。
しかもこの批判に対して「これはカワイイを卒業して美しさと強さを持とうっていう意味なのに、なぜ目くじらをたてるのかわからない」「若い子に嫉妬してるだけでしょ」という反論が噴出し大論争になりました。
振り返れば、昨年には駅ビルにあるショッピングセンターの某CM動画も「女性蔑視」として炎上、削除するなど、昨今は女性からの批判を受けて継続不可となったCMが続いているわけですが、この現象について都内の女性コンサルタントはこのように話します。
「女性差別や様々なハラスメント行為といったことにはどの企業も基本的には気を付けているんです。うな子はちょっと意識が足りませんでしたが、化粧品メーカーのCMについては完全にその気遣いが裏目に出たのでは。女性を応援するつもりが、意識しすぎて逆にとられてしまった。問題は年齢を出してしまったことですね」
実際、女性としては25歳なら「20代後半になっちゃった、どうしよう」という焦りを持つ人もいれば、30代になって男性からの扱われ方が変わってきたことに少なからず切ない思いをする人もいるもの。
「勤続経験などを問うような必要な場面以外では、女性の年齢について話をするのは気を付けないといけないんです。これはハラスメント防止セミナーなどでも、よく出る話。ですから年齢を出さずに、女性はカワイイだけからパワーアップしましょうという意図がハッキリわかるようなセリフであれば、すべての年齢の女性に受け入れられたかもしれません」
もちろんこうしたCMでも一向に何とも思わないという人や「目くじら立てすぎ」と思う人も多いでしょうが、これらのケースはやはり制作サイドに落ち度があったと言えるのではないでしょうか。