【らんまん】田邊教授は嫌われ者だったのか、悲惨な最期に受けた追い打ちとは

 まさかの展開に、万太郎ならずとも「えっ」と声が出た視聴者もいたことだろう。

 8月21日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第101回では、主人公の万太郎(神木隆之介)が長らくお世話になっていた帝国大学の田邊元教授(要潤)が、鎌倉の海岸で溺死していたことが判明。大学教授を免官されるも若妻と仲睦まじい様子が描かれた直後の悲報に、視聴者も悲しみに暮れているという。

 作中では明治26年8月となっているが、田邊元教授のモデルとされる矢田部良吉博士は明治32年8月に、やはり鎌倉での遊泳中に溺死していた。時期こそ異なるものの、今回のエピソードは史実を再現した形だ。

「矢田部博士は帝国大学の教授を免官されたのち、東京高等師範学校(現・筑波大学)の教授、および校長を歴任。その在任中に亡くなっていました。史実では矢田部博士が亡くなった時期に、万太郎のモデルである牧野富太郎博士は、矢田部博士の後任として帝国大学の植物学教室を率いた松村教授のもとで助手を務めていました」(テレビ誌ライター)

 その松村教授は、「らんまん」にも登場する徳永教授(田中哲司)のモデルとなった人物。第100回ではドイツ留学から帰国し、握手を交わした田邊教授から「お帰り」と声を掛けられる場面もあった。

 その場面だけを見れば、田邊教授と徳永教授の関係は良好だったようにも思える。だが実際には田邊教授が嫌われていたかもしれないというのだ。

「矢田部博士が亡くなった際、葬儀に数多くの弔辞が寄せられるなか、かつて直属の部下だった松村教授は代理の人物に弔辞を送らせていました。結果的に矢田部博士から植物学教室の教授職を松村教授が奪い取った形になるゆえ、二人の間に何らかの確執があった可能性は小さくないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 今後の回で、田邊教授を巡る人間関係が描かれる可能性もありそうだ。今回の第101回では万太郎と親しい藤丸(前原瑞樹)が「なにもかもが政治や人間関係」と嘆く場面があった。どうやら今週はそんな学内政治が大きなテーマの一つとなるのかもしれない。

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