この前と同じ構図…ではなかったようだ。
8月24日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第124回にて、ヒロインのアキ(能年玲奈)が若かりしころの母・春子(有村架純)と二度目の邂逅を果たした。ただそのシチュエーションは、一度目の出会いとは異なっていたようだ。
この日、交際中とはいえキスを交わしたこともない種市先輩(福士蒼汰)を、大胆にも自宅に呼び込んだアキ。春子(小泉今日子)は緊急手術した祖母・夏(宮本信子)の看病で北三陸に帰省しており、タクシー運転手の父・正宗(尾美としのり)は仕事で帰宅が遅くなる日だ。
途中で春子から電話がかかってくるという中断はあったものの、シャワーを浴びた種市と隣同士に座り、いよいよキスかという刹那、そこには人の気配が…。なんと春子の社長席から、若き日の春子がニラミを利かしていたのである。
「本来なら出会うことのないアキと若春子ですが、実はこれが二回目。最初はGMT5をクビになった第101回にて、やめたくないと苦しんでいるアキの前に若春子が現れたもの。この時は結局、夢オチでしたが、今回はアキがしっかり目覚めている状況で若春子の幻影が見えていたのです」(テレビ誌ライター)
決して同じパターンを続けないという制作側の意気込みの表れか。ただそうなると、ちゃんと覚醒している状況でアキが若春子を見たのはなぜなのだろうか。
「第101回と今回では若春子の登場シーンに違いがありました。前回はアキと若春子がけっこう長々とやり取りしていたのに対し、今回は種市とキスを交わそうとしているアキを若春子がニラみつけているだけだったのです」(前出・テレビ誌ライター)
第101回では自分がクビになってしまった理由が、春子と太巻社長(古田新太)との確執にあったのではという、猜疑心が夢に現れた形だった。それに対して今回は、男女交際禁止の自分が種市とキスしようとしている背徳感の表れだ。
つまり若春子の現れた理由が前回は春子側にあったのに対して、今回はアキ自身が進んで若春子の幻影を見ていたようなものだと言えるだろう。
ただ前回と異なるのは、第101回では春子が原因でGMT5をクビになっていたのに対し、今回は太巻が映画「潮騒のメモリー」のオーディションでアキを落とそうとしているにも関わらず、太巻が春子の幻影を見たことでアキを落とせなくなってしまったということ。その違いはアキと春子の関係性に変化が生じたことの表れなのかもしれない。