再放送ならではの感想を抱いた視聴者もいたことだろう。
8月29日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第128回には、本作ファンのあいだで伝説と化しているキャラクターの前髪クネ男ことTOSHIYA(勝地涼)が登場。視聴者から<ついに来たか!>と喜びの声が続出している。
ヒロインのアキ(能年玲奈)が人生で初めて挑むキスシーンの相手として選ばれたクネ男。アキ自身、種市先輩(福士蒼汰)という彼氏はいるものの、まだキスを交わしたことのない清い関係であり、このままでは人生で一回だけのファーストキスをクネ男に奪われかねない危機だった。
結果的にはクネ男側がキスシーンを嫌がり、カメラの角度でゴマかしたというオチ。さらにはアキが種市にファーストキスを捧げるシーンで終わるというスッキリした内容はファンの間でも語り草になっている。
その一方で本放送から10年が経ったいま、今回のクネ男登場に別の感慨を抱く視聴者もいたという。
「クネ男を演じた勝地は5年後の2018年に元AKB48の前田敦子と結婚し、大きな話題を呼びました。『あまちゃん』の作中で元GMT5のアキとキスシーンに挑んだ彼が、現実世界でも国民的アイドルグループのOGと結婚したのですから、まるで現実を予言していたようだとの驚きを感じた視聴者も少なくなかったのです」(芸能ライター)
クネ男は人気ダンスグループのメンバーとして、中高生女子のファンが多いことからキスシーンを避けた、という建前だった。だがアキのマネージャー水口(松田龍平)の見立てによると、女がいるからキスを避けたのではないかという。
当時は単なる設定としか思わなかったその理由も、今となっては勝地が前田の手前、能年とのキスを忌避したようにも思えてしまうのではないか。実際には2013年当時に勝地はまだ前田と出会ってさえいないのだが、そんな裏読みをしたくなるのも無理はないだろう。
一方で「あまちゃん」の設定と、現実のAKB48のあいだには、大きな乖離もあったという。それはアイドル時代の前田がすでにキスシーンに挑んでいたことだ。
「前田は2010年10月期のドラマ『Q10』(日本テレビ系)にて、美少女の姿をしたロボットの役で出演。主演の佐藤健とキスシーンを交わしています。唇が触れるか触れないかくらいの微妙なものでしたが、当時は『あっちゃんのファーストキスが奪われた!』と大きな話題になったものです」(前出・芸能ライター)
アキはクネ男とキスしなかったが、現実のアイドル業界ではすでにAKB48のエースだった前田敦子がキスを交わしていた。どうやら「現実は小説よりも奇」ということだったのかもしれない。