10月21日にTBS系で決勝が生放送された「キングオブコント2023」で優勝したサルゴリラ。史上最多の3036組がエントリーした大会を制したのは、売れそうで売れない時期を乗り越えた、芸歴20年目のベテランだった。芸能関係者がコンビの歩みを語る。
「ボケ担当の児玉智洋とツッコミ担当の赤羽健一は幼稚園からの同級生で、赤羽が誘う形で東京NSCに入学。いくつかのコンビ、トリオを経て、06年に松橋周太呂が加わった3人組『ジューシーズ』を結成します。この時期の活動は順調で、『エンタの神様』(日本テレビ系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)などの人気ネタ番組にもたびたび出演。10年からはテレビ朝日の名物プロデューサー・加地倫三氏の手掛けた深夜バラエティ『333 トリオさん』でも5年間レギュラー出演しています。ですが、15年に松橋が脱退。そして2人で結成したのがサルゴリラなんです」
ジューシーズは所属事務所の吉本興業としても、同期のハリセンボンやしずるがすでに人気芸人だったこともあり、ネクストブレイク候補として売り出しを図った芸人だったという。
「『トリオさん』は、ジューシーズ以外のレギュラーがジャングルポケットとパンサーと、吉本興業がいかに力を入れていたかがわかるメンツでした。ただ、残念ながら一気にスターダムにのし上がったジャンポケらに比べジューシーズの知名度は伸びませんでした。そして皮肉にも、番組終了後に脱退した松橋はその後、『家事えもん』という家事が得意なキャラ芸人としてブレイク。ゴールデン帯の番組にもバンバン出るようになります。つまり、サルゴリラの2人だけ置いてけぼりを食らった形だったんです」(前出・芸能関係者)
売れきれず、新コンビ結成でまたイチからの再スタートとなったサルゴリラは、再び雌伏の時を過ごすこととなる。
「2人は東京出身で、赤羽は今も実家暮らしということもあって、売れていない間も過度の経済的困窮は経験してこなかったようです。児玉は過去にピースの又吉直樹、パンサーの向井慧と同居していた時期があり、当時の家賃は又吉が7割、向井2割でこだまが1割でした。又吉のような売れっ子芸人とのつながりもあり、どこまで本当かはわかりませんが、本人も『5000万円以上おごってもらった』というほどですので、かなり周囲に面倒をみてもらったと見えて、食うに困るようなことはなかったのでしょう。そんな環境もあって、深夜とはいえテレビレギュラーを持った芸人が再び下積み時代を過ごしたわけですが、その間も腐らずネタを磨き続けることができた。ちなみにサルゴリラというコンビ名は、相談された又吉が考えたものだそうです」(事務所関係者)
アップダウンの多い芸人人生で、ようやく大輪の花を咲かせることができたサルゴリラ。「KOC」の番組終了直後には、不遇時代を知るパンサー向井が号泣する動画がアップされ大いにバズッたが、はたして今後、みずからの活躍でさらに注目を浴びることができるか。