日本テレビの系列局「日本海テレビ」(鳥取市)の幹部社員が、毎年恒例となっている日テレのチャリティ番組「24時間テレビ」の寄付金などを着服したとして、懲戒解雇されていたことがわかったのは11月28日。同局の経営戦略局長の男性は2014年以降、「24時間テレビ」の寄付金264万6020円と会社の売上金などの資金853万6555円を着服していた。11月上旬に発覚し、日本海テレビは同月28日に鳥取署に被害届を出している。
周知の通り、「24時間テレビ」は、1978年から毎年8月下旬の土曜日から日曜日にかけ、日テレ系列および沖縄テレビ放送で生放送されている特別番組。視聴者からの寄付を広く呼びかけ、国内外の福祉・環境保護・災害復興の支援に役立てることを目的としている。番組開始から同番組のシンボルマークが入った「リフト付きバス」や「訪問入浴車」、「電動車椅子」など多数を寄贈している。
元日テレ関係者も今回の着服発覚に怒りを隠せない。
「この番組制作のため社員やスタッフは、睡眠時間が削られるほどの準備をしています。それでも、街中で寄贈された車両が活躍しているのを見て、苦労が報われる思いでした。今回、その大切な寄付金に手を付けていた社員がいたことにショックを受けています。ただ、それよりも、みなさまからの善意があまりにもズサンに管理されていたことのショックのほうが大きいです」
舞台裏でのとんだ不祥事が明るみに出た「24時間テレビ」はチャリティ番組にもわらず、出演者にギャラが支払われていることや、障がい者に対する表現の仕方など、様々な批判があるのも事実。そろそろ、番組存続を考える時期に来ているかもしれない。