朝の情報番組に昼のワイドショー、夕方のニュースに夜のニュース、どの番組でも必ず報道される「今日の大谷」。自民党のキックバック問題より、マイナス金利より、どんなスポーツニュースよりも優先されているように見える「今日の大谷」報道。
その結果、太谷の過剰供給状態が起きているのは確かなようだ。ネットで検索すると、大谷翔平、と入力した後、「うざい」「しつこい」「うんざり」という単語まで出てくるようになってきた。ネットの声いわく、〈毎日テレビつければ大谷のニュースばっかり。シーズン始まったばっかりだけれど、もう飽きた〉〈日本のプロ野球、今年やらないの? 今年のキャンプの報道、全然ないよね〉〈コメンテーターが漏れなく褒めまくるのも気持ち悪い。宗教みたい〉。「今日の大谷」の他にも、かっこいい、今年の記録はここまでになるのかといった話題もあり、確かに、日本の明るいニュースはもはや大谷だけ?と思うほどの上げっぷりには見える。
「テレビもラジオもネットも大谷のニュースだらけ。某動画サイトや某質問掲示板などにも、『大谷大谷しつこい』とか、『もう良い加減うざいんですけれど』と言った書き込みが見られます。大谷や野球に興味の薄い人、関心のない人にとっては、どこのメディアでも同じ内容で1日中流れているように感じるでしょう。ウクライナのニュースはなくとも大谷、能登のニュースが1分でも大谷は5分、となると、うんざりする人も増えてくるのは仕方ないですね」(TVウォッチャー)
もちろん、報道する側も「そんなことはわかっている」という。語るのは、テレビ関係者だ。
「毎日全テレビ局で大谷のニュースをやるのは“ウチだけやめる”ということが今はできないから。ようやくシーズンが始まり、今日の結果を流せるようになりましたが、それまででもただのトレーニングの映像だけでも大注目。さらに妻が田中真美子さんだと判明するまでの間は、相手はいったい誰だ、という話題でも盛り上がったりして、大谷のニュースが毎日毎時間になるのはやむを得ません」
そのせいか実際には大谷批判ではないのに「大谷のニュース、もういらない!」とさえ言えない風潮があると指摘するネット民の声も。〈なんか、大谷もうお腹いっぱいって、って言ったら、非国民扱いされそうな気がする〉〈誰もが褒める人のことをうざいと言ってしまうと、自分の人間性が問われてしまうから言わない〉〈とりあえず初対面の人にも、『今日の大谷、すごいですね~』と会話のきっかけには便利だから、しょうがないかと〉といった具合。
大谷には何の落ち度もないのに、報道が多いことを口にすることすらはばかられるという状況は、大谷はやっぱりそれだけスゴイ、ということの裏返しかも!?
(ロドリゴいしざわ)