「親子のコミュニケーションが子どもにとってよりよいものになっているのか分からない……」と悩むことはありませんか?
それを考えること自体が子どもにとって幸せな環境ともいえますが、お互いに人間ですからうまくいかない部分が出てくるのは当たり前です。例えば、「もっと褒めるべきかどうか。叱ってばかりで褒めることができていないのでは……」と感じたら、次のようなことに立ち返って考えてみてください。
■成長のためには褒めるだけではなく厳しい部分も重要
成長中の子どもたちは、一度理解すればその通りに行動できるとは限りません。日々試行錯誤しながらできることを増やしていく時期ですから、行き過ぎた叱責や押し付けは子どもの自主性ややる気を奪ってしまうこともあります。
一方、何でも褒めるだけでは厳しい社会で生き抜く力を養うことは難しいですから、“ここだけは妥協できない”という守るべきルールや礼儀・習慣を設定し、できるまで本気で向き合うことも重要です。
■技術はすぐには向上しないと心得る
これまで持っていた認識や習慣を変えていくには練習が必要ですから、長い目で見守ることも大切です。「前に伝えたのになぜ変われないのか……」と叱るだけはなかなか改善しないため、最終的な結果だけをすぐには求めず根気よく向き合い、少しでも頑張れた部分は具体的に褒めてあげる意識を持ちましょう。完璧にはできていなくても、“その過程は褒められる”と思っておくと、行動に移しやすいですよ。
■やる気や行動・表現にフォーカスすると褒めやすい
結果だけにフォーカスすると、「褒められない!」と困ってしまうかもしれません。そんなときは、その子が言われたことを実践しようと頑張っている様子や、その子自身が考えたこと・表現したことにフォーカスしてください。その中で、「言われたからやったのではなく自分で気付いて行動した」「言われたことを自分なりに咀嚼して理解しようとしている」と気付ければ、認めたり褒めたりする声かけをしやすくなりますよ。
子どもの成長に気付くには、入念な観察が必要です。譲れない部分はしっかり伝えつつ、本人なりに頑張ろうとしている様子やほんの少しの変化を見逃さずにアプローチしてみてはいかがでしょうか。
(Nao Kiyota)