フィギュアスケートの「GPファイナル2016」は、日本の出場選手3人が全員表彰台といううれしい結果に終わった。これは羽生結弦のみならず、宮原知子、宇野昌磨の若手選手が確実に進化を遂げている証だという。
「宇野選手は昨年のGPファイナルでもシニアデビュー戦で3位になりましたが、今回のGPファイナルはまったくレベルの違う滑りだったといえるでしょう。宇野選手は昨年シニアデビューのGPシリーズで好成績を収め、GPファイナルでも3位でしたが、世界選手権では7位に沈みました。この時の敗因の1つはスタミナ切れにあったと思います。なにしろ、今は4回転時代。1つのプログラムに何回もの4回転ジャンプを跳ぶと、体力の消耗が激しいのです」(スポーツライター)
そんな宇野選手が取り組んだのは、体力をつけるトレーニングだった。夏に3週間の海外合宿を強行し、体力の強化に取り組んだのだ。地元の選手とともに脚力アップのためのケンケン跳び、片足ステップの昇降トレーニング、後ろ向きでのランニングに体幹とバランスの強化などの基礎トレーニングに、氷上でのジャンプとステップを交互に繰り返す練習など、ふだんの練習ではできないハードなメニューを、文字どおり朝から夜まで3週間続けたのだ。
「合宿中は繰り返しのトレーニングに『どこが筋肉痛かわからないくらい全身が筋肉痛』などと弱気な声もありましたが、この合宿が自信になったのでしょう。9月には『去年は体力を温存しようと、全力を出し切れなかったのがいちばん悔しかったったので、まずは100%の力でぶつかっていって結果を見たい』『体力強化を頑張ってきたので、試合で体力が心配ということはない。体力の不安がないから、いろんなことに挑戦できる』とシーズン初戦から力強く語っていました」(前出・スポーツライター)
ファンを喜ばせる栄光の陰には、血のにじむような努力があるのだ。
(芝公子)