ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平をめぐり、6月12日にウェブメディア「現代ビジネス」が報じた日本テレビとフジテレビの「出禁問題」。日テレとフジは、今年5月に大谷選手の12億円とも言われる新居の取材で、自宅付近でのレポートや近所へのインタビューなどを交え放送したといい、これに大谷サイドが激怒し、ドジャースから貸与される取材パスの凍結、さらに大谷の過去素材を使用しないよう両局に通達したというのだ。
このニュースが報じられてから、Xを中心に日テレとフジへのバッシングも過熱していた。
「ワイドショー的な感覚で大谷の12億円ともいわれる豪邸付近を取材したのがマズかった。自宅が特定されれば犯罪の標的にされる危険が高まりますからね。大谷はもともと日本のマスメディアには好意的だったのに、日テレとフジはだまし討ちするような形で自宅周辺を取材したようにとられてしまったんです」(スポーツ紙記者)
もっとも、「news every.」(日テレ系)「めざましテレビ」(フジ系)などで、大谷が出場した試合結果を映像も使用した形で放送しているが、試合映像に関しては少々事情が違っているという。
「MLBの試合映像はNHKをはじめとした各局の連合体として使用料を支払っているので、今回の大谷の出禁騒動とは関係ありません。取材がNGになりそうなのは、大谷個人の独占映像やインタビュー。このままだと現地で取材した過去映像も使用できないので、大谷のプライベートを紹介する企画は日テレもフジも作れない可能性が高い。両局とも大谷のマネージメント会社や球団に懸命に謝罪し、出禁解除や過去映像も使えるようにお願いを続けているようです」(民放関係者)
最新の試合映像は使用できるのなら、当面の番組制作には支障がなさそうだが、特に日テレサイドは大いに焦っているとか。実は、日テレは今年8月31日、9月1日に放送予定の「24時間テレビ」で、大谷に関する企画が進行中で。このままだと、企画が頓挫する可能性があるからだ。
「『24時間テレビ』では、視聴率が確実に取れる大谷に関する企画をいくつか考えていたようで、もちろん過去の映像は必要だし、新たにアメリカへ出向いての取材も計画していたそうです。このまま取材NGや過去映像の使用禁止が続けば、『24時間テレビ』で大谷を取り上げられなくなる。制作スタッフは、大谷サイドと和解できなければ、大幅な企画変更もあり、『24時間テレビ』の成否にも大きな影響が出ると相当焦っているようです」(前出・民放関係者)
過去にも多くの有名スポーツ選手が出演してきた「24時間テレビ」。はたして、日テレは大谷の企画の放送に漕ぎつけることができるか。
(渡邊伸明)