日常生活の中では高齢者と会話する機会もあると思いますが、そんなとき、耳が遠い相手との会話に不都合を感じたことはありませんか? 例えば、こんな声がネット上に挙がっていました。
「母が加齢のせいか聞き取りにくいようで、会話のときは大きな声を出さないといけないんです。『もっと大きな声で』と言われることもあり、外出先では恥ずかしさを感じます。正直疲れてきました」
「接客業をしていますが、耳が遠くて会話が成立しないお年寄りの方もいます。大声で叫ばなければならず、他のお客さまにも迷惑がかかってしまいます。補聴器をつけることはマナーといえるのでは」
加齢とともに耳が遠くなる加齢性難聴は、誰にでも起こり得ること。生活が不便になるのはもちろん、何より意思疎通が難しくなるのは相手にも迷惑がかかってしまいますね。
とはいえ、最近では補聴器にもAIが搭載されるなど、機能面が充実してきています。例えば、先日発売されたばかりのフィリップス ヒアリングソリューションズによる新モデル「フィリップス ヒアリンク50」は、モーションセンシング技術を導入したAI搭載の補聴器です。ユーザー自身の動作や動きを検知・分析し、その情報を補聴器の聞こえに反映させるサウンドガイド機能が他にはない特徴なんだとか。
補聴器を使用している人の動きを感知して、1人との会話、複数人との会話、屋内、屋外といったさまざまな場に合わせてノイズを抑制し、会話がよく聞こえるようにしてくれるそうです。とくに、雑音の多い環境ではAIが騒音を抑えてくれるため、リスニングが快適に。聞こえづらくて「え? 今なんて言ったの?」と聞き返すシーンも減るので、会話がスムーズになりますね。
新作発表会では、「補聴器を早期装用することの普及を目指している」との発言もありました。早期装用により、脳の認知機能の低下を抑制させる可能性があるのだとか。50代60代から補聴器を使うと、聞こえがよくなるうえに日々の仕事のパフォーマンスが上がる可能性もありそうです。将来、自分自身も含めて高齢者の多くがこのような製品を使えば、スムーズに会話ができる時代が来るかもしれませんね。
また、「最近、聞こえが悪くなってきたかもしれない……」と感じているなら、無料で受けられるオンライン聴覚検査を試してみるのもよさそう。WHOが開発した『hear WHO』というスマホアプリで受けられるオンライン聴覚検査や、東京医療センターが作成したオンライン聴覚検査などもあるようですから、ぜひ試してみてくださいね。