近年、化粧品の成分に「発酵エキス」なるものをよく見かけますが、これにはどんな効果があるのでしょうか。他のコスメと比べたメリットなどを、スキンケア成分に詳しい日本化粧品検定協会代表理事の小西さやかさんにうかがいました。
発酵コスメは、米や米糠、はちみつ、大麦などを発酵させることによって作り出されたスキンケア成分を配合したコスメのこと。発酵の力によって、さまざまな効果効能が期待できるそう。具体的にみていきましょう。
■発酵コスメの種類とは?
米を発酵させて作るコメ発酵エキス、米糠によるコメヌカ発酵エキス、微細藻類の一種であるユーグレナを発酵させたユーグレナ発酵エキス(ミドリ麹)、オオムギ種子発酵エキス、豆乳発酵エキス、はちみつ発酵エキス、牛乳発酵(乳酸菌)エキス、イチジク果実発酵エキスなどがあります。
■発酵コスメの効果とは?
一般的に、発酵エキスには抗酸化作用や保湿、浸透性アップの効果が期待できるそうです。また、何を発酵させたかによっていくらか効果は変わってくるようです。
例えば、コメヌカ発酵エキスは糖類やアミノ酸類、ビタミン類が多く含まれ、肌機能の活性や保湿効果が期待できるそう。ユーグレナ発酵エキスは肌免疫に寄与するため、老化の進行を緩やかにしたりヒアルロン酸の産生を高めたりする他、パラミロンというユーグレナ特有の多糖類を多く含むため、発酵によって糖が増えることで美肌菌の住みやすい環境にも繋がるそうですよ。
■発酵コスメの製品例
●コメ発酵エキス
ウエルシア薬局のプライベートブランド『からだWelcia・くらしWelcia』からは、「発酵エキスをバシャバシャ使えるハトムギ化粧水」と「発酵エキスでエイジングケアするお米の化粧水」という発酵化粧水が発売されています。
前者は島根県産のはと麦の種子を発酵させて抽出したハトムギ発酵エキス、後者は岩手県産のお米を発酵させたものから抽出したコメ発酵エキスが使用されていて、乾燥やハリ不足対策に役立つようです。厳選された国産オーガニック原料を主成分としながら発酵エキスを配合しているのがポイントで、日本が生んだ恵みをしっかりと享受できそうですね。
●ユーグレナ発酵エキス
ユーグレナ社のスキンケアブランド『NEcCO』では、全商品にユーグレナ発酵エキスが使われています。
中でも、導入美容液「ネッコ ブースターセラム」には、ユーグレナエキスなど4種のユーグレナが最高濃度200%(自社従来商品比)で配合されている他、お米とユーグレナを発酵させたオイルなどの発酵美肌成分もたっぷり配合。発酵成分がパワフルなのに、敏感肌の人でも使用できるので指名買いする人も多いようです。
オイル層30%とローション層70%の割合で、コク感がありながらみずみずしく、美しくやわらかな肌の潤いバランスを再現してくれるそう。化粧水の前に使うことで浸透を高めるため、「ネッコ ローション」も合わせて使ってみるとよさそうです。
●はちみつ発酵エキス
はちみつコスメで知られる『HACCI』には、はちみつ発酵エキスを配合した「発酵液ローション」があります。
発酵母液にフラワーブーケはちみつをベストなタイミングで加えて作られたはちみつ発酵液は、高い浸透力でつるんとなめらかでフレッシュな肌へ導いてくれるとか。はちみつの恵みをたっぷりと肌で受け止められそうですね。
発酵コスメは、さまざまなものを発酵させることによって効果が期待できるコスメラインです。この機会に、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。