日本が世界に誇るドリブルの名手・三笘薫が大学時代のトレーニングを経てたどり着いたプレースタイルの変化について言及した。
さる9月5日に、日本代表として出場し、7-0と快勝したサッカーW杯北中米大会アジア最終予選の対中国戦では、前半終了間際に堂安律のクロスを頭で合わせ2点目を奪ったばかりだが、現在所属するのは、プレミアリーグ・ブライトン。エース級の活躍を見せている。
そんな、27歳の三笘は、9月9日放送のサッカー番組「KICK OFF!J」(TBS系)にVTR出演。イングランドの地で躍動するキッカケとなったドリブル技術に関する話題になると、「サイドの選手として、そこで質的に優位なところを持てれば、チームも良い方向に行くので。そこで負けては自分の価値はない」と豪語し、絶対的な自信をのぞかせた。
この日のインタビュアーを務めた同局・斎藤慎太郎アナは、過去にJ1の横浜F・マリノスユースに在籍し、高校時代には国体の神奈川選抜で三笘とチームメイトだった時期がある。
斎藤アナは当時の三笘のドリブルについて「あんなにスピードで行く感じじゃなかった」と現在とは異なるスタイルだったと証言すると、三笘は「高校時代はそこまで出力を出すタイプではなかった。技術でどうのこうのしてましたけど、大学ですごく磨いて、プロでできるようになった感じですかね。フィジカルを鍛えようと思って4年間行っていたので、そこでいろいろと学んだりトレーニングをして、試行錯誤して、というのはすごく貴重な時間でした」と高校卒業後にフィジカルの向上があったと認めている。
三笘は小学生の頃に入団した地元の川崎フロンターレU-10に高校卒業まで所属し、その才能に惚れ込んだクラブからはトップチーム昇格の打診があったが、スポーツ推薦での筑波大学進学を決断。4年間のフィジカルトレーニングを経て、卒業後に晴れてフロンターレへの正式加入が決まり、その翌年には移籍金3億9000万円を残してブライトンへのステップアップを果たしている。
「かつてはテクニカルに相手DFを抜き去っていたと語る三笘ですが、現在の最大の武器は単なるスピードによる突破だけでなく、その緩急の使い方にあり、これが世界レベルでも通用することを証明し続けています。対峙するDFが自身に寄せたタイミングで敢えてスピードを落とし、DFも速度を落とそうとした瞬間に一気に加速させることで、そのまま置き去りにするシーンは、今や三笘の勝ちパターンとして定着。プレミアリーグでは、そうした緩急を生かしたドリブルで、マンチェスター・シティのイングランド代表DFカイル・ウォーカーといった世界最高峰のサイドバックたちを次々に翻弄。多くの強豪クラブがその魅力的なスタイルに熱視線を注いでおり、最新の市場価値は日本代表でトップクラスとなる約70億円とも算出されています」(スポーツライター)
2022年カタールW杯では主に途中出場からゲームの流れを変える働きを任されていた三笘。26年に迫った北中米W杯では主力として大暴れすることが期待されており、世界を驚かせ続けるドリブルテクニックを存分に見せつけてほしい。
(木村慎吾)