11月20日放送の「全領域異常解決室」(フジテレビ系)第7話に称賛の声があがっている。数字的には「第7話」だったのが、この日の放送はいわゆる「エピソード0」と言うべき「第1話」が始まる前のストーリーだった。
前週の第6話ラストシーンで、自分も「アメノウズメノミコト」という神であることを思い出した雨野小夢(広瀬アリス)。警視庁総務部広報課に勤務していた小夢(広瀬)が、第1話で「全決」こと「全領域異常解決室」に出向を命じられたのは、4カ月前に神としての記憶を「事戸渡し」によって消されてしまったため、その記憶を呼び覚ますためのことだったことが明かされた。ネット上には第7話を視聴した後に第1話から視聴し直した人も多いようで、「これまでの違和感がきれいに消えた」「そういうことだったんだと納得の嵐」といった声が少なくない。
メインキャラクターがほぼ「神」という斬新な今作だが、第7話には石田ひかり演じる「ツクヨミノミコト」であるスナックの経営者・佃未世、野間口徹演じる寿正が新しく登場。特に寿(野間口)は、遺留品は残っているが遺体は忽然と消えている「神隠し事件」が起きるたびに、犯行声明文を公表している「ヒルコ」ではないかと考察する声が少なくない。ちなみに寿は、内閣官房が「神隠し事件」の調査協力を依頼したテミスホールディングスのCEOで「神」設定は今のところない。
第7話ラストシーンで寿は、佃=ツクヨミノミコト(石田)と接触し、「あなたの能力でこれ(人魚のミイラ)がよみがえればすべての準備が整います」と発言。人魚を甦らせて何をするのかと聞かれた寿は、「修理固成。神の総入れ替えです」と答えていたから、寿は「人魚の肉を食べて不老不死」になり、「神のような存在」になろうとしているのかもしれない(日本には人魚の肉を食べると「不老不死」になれるという伝説があり、第6話ではそのことにも触れた)。
また、メインキャラクターの役名を見ると、興玉雅(藤原竜也)がオキタマノカミ、雨野小夢がアメノウズメノミコト、佃未世がツクヨミノミコトなど、役名と神の名前につながりがあるため、野間口演じる寿正=福禄寿、柿澤勇人演じる内閣官房国家安全担当審議官の直毘吉道=毘沙門天という「七福神」である可能性も考えられる。「神の総入れ替え」とは、「古事記」由来の神々から「仏教」由来の「七福神」へと入れ替わることを指しているのだとしたら、人魚のミイラが何を意味するのかを置いておけば、妙な納得感もある。
インターネット記事サイト「Real Sound」によると、脚本の黒岩勉は「この物語は7話から始まります」と言っていたというから、今後の展開に期待しかない。
(森山いま)