米米CLUBのメインボーカルで音楽プロデューサーの石井竜也が同グループで歴代最高のヒット曲となった1992年リリース「君がいるだけで」の誕生秘話を明かしている。
売上枚数289万枚を誇り、レコード大賞にも輝いたこの大ヒット曲について、石井は11月26日放送のMBSテレビ「よんチャンTV」で、「作った時は全然手応えがなかったんですよ。僕ら自身も」と語り、想像を遥かに超える人気になったと振り返った。
石井は同曲を「30分で作ったんですよ」と驚愕の事実を明かし、「急に頼まれたんですよ。で、僕らも忙しかったんで」と、半ばやっつけのような仕事になってしまったという。ところが、フタを開けてみれば社会現象になるほどの大ヒット、同グループを象徴する代表曲となった。
実は、このように作り手もビックリするような“予期せぬ大ヒット曲”が音楽業界には少なくない。
「ロックバンド・ウルフルズの人気に火をつけ、ウルフルズ歴代2位の売上枚数66万枚を記録した1995年12月リリースの『ガッツだぜ!!』は当初、ボーカル・トータス松本にとって“おまけのような曲”だったといいます。レコード会社の会議室で、メーカースタッフやプロデューサーらを前に新曲を披露すると、7曲作った“勝負曲”には関心を示されず、やむなく“おまけ”で録っておいた『ガッツだぜ!!』の原型メロディーをかけると、全員が『おぉ!』と反応。当時はバンドの給料もほぼなく、バイト漬けの日々だったといいますが、この“おまけ”が運命を変えることになりました」(エンタメ誌ライター)
また、シンガーソングライター・スガシカオは依頼されていたSMAPの新曲の締め切りをすっかり失念。締め切り当日に慌てて20分で書き上げたのが、180万枚の大ヒットとなる「夜空ノムコウ」だった。
作り手の熱量や思い入れとはまた違ったところから、不朽の名曲が生まれることもあるからおもしろい。
(木村慎吾)