斎藤元彦兵庫県知事の公職選挙法違反疑惑が、火の粉となって飛び火した。国際政治学者・三浦瑠麗氏が12月2日に自身のXを更新、タレントの上沼恵美子に苦言を呈したのだ。
読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」の12月1日放送では、斎藤氏の選挙戦を支えたというPR会社の女性社長について取り上げた。「斎藤陣営で広報全般を任された」「私が監修者として(斎藤氏の)SNSを運用した」などと綴ったnote記事について、本村健太郎弁護士は「もしPR会社の社長が言ってることが本当だったら、斎藤知事は罪になる」との見解を示した。
すると、MCの上沼は「なんか自分のPRになってますよね。“私が当選させたんだよ”って、さも言わんばかりの。うれしくてしゃべりすぎたと言うか、自慢したかったんやね」と指摘。さらに「やっぱり女は無口がいい。PR会社をやってるプロやねんから。そんなこと言うたらアカンわ」と畳みかけ、最後は「私ならもっと言います。ラジオの生放送で言います。『斎藤じゃなく、上沼って書いた方もいるようで』なんて言っちゃいまっせ」とおどけてみせた。
この発言に反応したのが三浦氏だ。放送翌日に更新したXで「『今世間がたたきたい女』をたたくためには何でもありの日本。上沼恵美子さんのような『ご意見番』が『やっぱり女は無口がいい』とうっかり言えば、その偏見を疑問も持たずにお茶の間に垂れ流してしまう」と釘を刺した。
また、森喜朗元首相が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」発言で大炎上した際、上沼が女性を一括りにしたことを猛批判していたことを持ち出し、「ポリコレ審判をマスコミが始めたんだから、せめて自身の行動は鑑みるべきではないでしょうか。自分が言われた時だけ『窮屈』というのはだめですよ。わたしは人の好き嫌いに関わらず、虐めを見ているのが嫌なんです」と、上沼の“ダブルスタンダード”を戒めた。
「上沼の発言は文字面だけを見れば今の時代に相応しくないようにも思えますが、これを無口からは程遠いマシンガントークの上沼が言っていることから、ギャグとみなす人がほとんどです。上沼自身『私ならもっと言います』とオチを付けており、無口発言はいわば“フリ”のようなもの。三浦氏が指摘するような“何でもアリの虐め”に該当するかは疑問の残るところです。ネットでも『冗談に真面目に反論するのはナンセンス』『皆が心の中で上沼に“あんたが1番のおしゃべりやんか”とツッコんで笑いに変わる』『三浦瑠麗氏は何も笑いがわかっていない』『芸人の時事ネタのギャグにいちいち突っ込みますか、三浦さん!爆笑問題の太田さんにも毎日突っ込んでくださいね』といった反応が多く見受けられました」(テレビ誌ライター)
斎藤知事の公選法問題は場外戦に突入したようだ。
(木村慎吾)