今年もブドウの季節がやってくる。デラウェアや巨峰、マスカット、甲斐路、ピオーネなど、さまざまな品種でスーパーがにぎわうなか、毎年、何気なく通り過ぎてしまってはいないだろうか?
実はブドウは甘くて美味しいだけでなく、アンチエイジング効果の優れた食材でもある。最近では広く知られはじめてきたが、その研究はさらに進んできているのだ。
老化を防ぐといわれるブドウの成分は、「レスベラトロール」と呼ばれるポリフェノール。細胞が生まれ変わるサイクルを正常に保ったり、細胞の質が下がるのを防いでくれたりするもので、また、食事制限をするのと同じ効果が得られることも見逃せない。
その一例が、フランス人はあれだけ肉やチーズ・バターなどの高脂肪な食事を日常的にとっているのにもかかわらず、なぜ「心臓疾患」が少ないのかといわれている点。この「フレンチパラドックス」の根拠の一つとして指摘されているのが、赤ワインの存在なのである。
しかし、近年この説は誤りであるという研究や、赤ワインからレスベラトロールを摂取しようとすると、相当量を飲まなければならないという非現実的な面も取り上げられており、その実態は不確か。だが一方で、一日1~2杯飲めば、乳がんの予防効果が期待できるという新たな発見もあったりし、ブドウ効果はまだまだ研究の余地がありそうだ。
そんな魅力的なレスベラトロールを多く摂取する方法としては、赤ワインの他にもブドウを皮ごと食べたり、落花生の種皮から摂るという方法もある。
だが、やはりいずれも少量に留まってしまうため、最も効率的なのはサプリメントで摂取する方法となるだろう。
老化防止やがん予防に興味のある人は、ぜひ「レスベラトロール」を思い出しながら、秋のワインを楽しんでみては?