フジテレビによる女子アナの“上納システム”はあったのか、なかったのか。元同局の人気アナだった中野美奈子が「いえいえ全く」と否定する一方、2022年3月に退社した、フリーアナ・久代萌美は気になるエピソードを紹介したことがあった。
週刊文春による報道では、フジテレビの編成幹部A氏が、懇意にしていた中居正広氏とX子を引き合わせ、連絡先の交換を求めたり会食に同席させていたという。また、そうした、“女子アナとタレントを引き合わせるような社風”が、中居氏とX子のトラブルの遠因になっていたとも読み取れるのだが、週刊ポストの取材に応じた中野自身はそうした社風があったとは感じていないようだ。
2012年までフジテレビに在籍した中野は、同誌から「“上納システム”と指摘されているような、会食に呼ばれることはありましたか?」と尋ねられ、「いえいえ全く。皆さんの会社でも食事会というのはあると思いますし、勝手にそういう“上納”という変な言葉が一人歩きしていて」「飲み会みたいな場は普通にありました。しかし、上司が『行け』っていうのはなかったです」「むしろ会社の人たちは『朝早いから早く帰りなさい』っていう感じでした」と返答。飲み会よりも仕事を優先することが許される空気感だったという。
しかし、中野の証言と“真逆の社風”を間接的に明かしたことがあったと言えそうなのが、22年9月放送の「もんくもん3時間SP~夏のもんく祭り2022~」(読売テレビ)に出演した、久代のトークだったのだ。
久代は、同局社員時代に目撃した「後輩アナのゾッとする話」として、上司との食事会でのエピソードを紹介。後輩や同僚らも参加する会食だったが、1人の女子アナがいつまで経ってもその場に姿を見せず「ちょっと久代、連絡して」と本人に電話するよう指示されたという。
久代は「皆の前でスピーカーにしてその子に電話したら、明らかに寝てただろっていう声で『(会食の日を)昨日だと思ってました』って。すっごい怖くないですか!? “明日だと思ってた”だったらわかるんですけど、昨日って、“じゃあ昨日(この店に)来たの?”って。皆でザワザワして。『怖っ!』ってなった」と後輩アナとのやり取りや“言い訳”を暴露した。
久代いわく、その後輩は同時点で朝の番組を担当していた現役女子アナだといい、「もっと怖いのが、その前日、私から『明日よろしくね』ってリマインド(の連絡を)してるんですよ」と事前に確認のメールも入れていたと告白。続けて、「『昨日、明日よろしくねって言ったよね?』って言ったら、『私、早朝の番組をやってるんで、明日とか明後日とか、日付が分かんないから、久代さんにとっての“明日”は私にとっての“明日”じゃないんです』って」と言い返されてしまったのだという。
「番組のスタジオでは、後輩アナが苦し紛れの言い訳で会食に来なかったことにドン引きする反応が飛び交い、共演者からも『うわ~っ』『朝の番組やってたの、どの子~?』などと“犯人”探しをするような流れになっていました。しかし、早朝の番組を担当する女子アナは、午前2~3時に起床して4時頃には局入りしていることはザラで、担当番組が異なる他の社員とは生活リズムが全く変わってくるのは当然のこと。中野が語っていたような『朝早いから早く帰りなさい』といった雰囲気とは真逆で、翌朝の仕事を理由に会食に現れなかった後輩アナをまるで悪者のように吊し上げ、その釈明すらも宴席で全員でネタにしているような不健全なムードが窺えます」(テレビ誌ライター)
港浩一前社長はじめ、1月27日の“やり直し会見”に出席したフジ幹部陣は、女性社員に飲み会参加を強制したことはないと主張していた。が、久代のエピソードを聞く限りでは、参加しないと気まずくなるような空気感が醸成されていたことは否めないのではないだろうか…。
(木村慎吾)