Q:3歳と生後3カ月の男の子のママです。長男が言うことを聞いてくれないので困っています。下の子が寝ているので「静かにしてね」といってもお構いなしに暴れます。せっかく寝た下の子は泣きだすし、イライラして「うるさくするならあっち行って」と怒鳴り、それでもやめないと叩くときもあります。他にも「ママ…」と甘えながら抱きつこうとする手を振り払ってしまったこともありました。後悔はするのですが、感情を抑えられません。
Q:3歳の子どもはママに甘えたいだけなのではないでしょうか。下の子どもが産まれてから、上の子に対して「お兄ちゃんなんだから…」とことあるごとに言ったり、名前で呼ばす「お兄ちゃん」と言うのが口癖になっていませんか。
長男からすれば、これまで名前で呼ばれていたのに、いきなり「お兄ちゃん」になり、我慢を強いられ、以前より相手にしてもらえない寂しさを感じているのかもしれません。
小さな2人の子どもの育児は大変です。しかし、3歳の子どもに、急に「お兄ちゃんになれ」と言っても無理です。長男は、世界で一人だけの自分のママに無視され、うとまれているのだと感じて傷ついていることを想像してみてください。
このまま自分のストレスを、長男に向けてしまうような環境を定着させてはいけません。
まずは、自分の状況を周りに伝えることです。自分の両親か配偶者、兄弟、信頼できる友達などに真摯に打ち明けて、悩みを抱えていることを知ってもらいましょう。一人で抱え込まず、少しでも心を軽くする手段を考えてください。
とはいえ、育児から離れられないのが母親です。自分の悩みを再確認するとともに、育児への取り組み方を少し変えてみましょう。手がかかる下の子を寝かしつけたら、いったん頭を切り替えて、上の子どもが生まれたときを思い出してみます。
それから、長男を呼んで、ゆっくり抱きしめてほしい。足りないのは、長男と2人だけの時間です。その間は、家事も夫の世話もあと回しでいいじゃないですか。
このような時間を継続することによって、長男も「弟が寝たらママが遊んでくれる」と理解してくれるようになるでしょう。そして、弟を気遣うようになったら、たくさん褒めてあげてください。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)