「交通事故を脳科学的に防ぐ方法はありますか?」
「記憶脳」「感謝脳」など多くの著書がある、精神科医の樺沢紫苑(かばさわしおん)氏が、自身のYouTubeチャンネル「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」を更新(2月11日付)。視聴者から冒頭の質問を受け、「リスクを大幅に減らす方法があります」とし科学的根拠を元に3つの方法を説明した。
「まず禁煙。たばこを吸う人は吸わない人に比べると交通事故を起こす確率は1.5倍も多いのです。だいたい1日20本以上吸う人と吸わない人を比べた場合の研究という形になりますが、たばこが切れてきた頃にイライラしたり、注意力、集中力が下がった時に事故を起こしやすい」
2つ目は、睡眠不足。アメリカ高速道路交通安全局の「交通事故4571件の原因に関する研究」によると、事故前の24時間でドライバーがどれだけ睡眠をとっていたかで事故の確率に大差があるという。睡眠時間7時間以上の人と比べて4時間未満の人の事故確率は11.5倍になもなり、さらに4~5時間睡眠で4.3倍、5~6時間睡眠で1.9倍、6~7時間睡眠で1.3倍といったデータを紹介していった。
3つ目は、カフェイン摂取。実際、眠気覚ましのためにコーヒーを飲む人は多いと思うが、長距離ドライバーを対象にした研究によると、休憩時間にお茶やコーヒー、カフェイン錠剤を摂取した場合、事故のリスクが63%も減るというデータが出ているという。その効果は想像以上に大きいということだ。
交通事故安全白書によれば、交通事故発生件数は減少傾向にあるとはいえ、それでも年間30万件以上の事故が起こり、2500人以上の人が亡くなっている。そのほとんどが不注意やわき見、居眠りなどヒューマンエラーが原因となっている。上記の3つで事故率は格段に下がるというのだから、運転する機会が多い人はぜひ実践されたい。
(所ひで/YouTubeライター)