【ひとりでしにたい】綾瀬はるかが演じる“山口鳴海”は「ドラマ版オカリナ」だった!
大好きだった叔母が「孤独死」したことをきっかけに「終活」を真正面から考えるようになった、山口鳴海(綾瀬はるか)を主人公にしたドラマ「ひとりでにしにたい」(NHK)。原作となっている、カレー沢薫氏とドネリー美咲氏(原案協力)による同名マンガのファンは多く、原作マンガを私が読んだのも「面白いから読んでみて!」と勧められたことがきっかけだ。今や「30代後半の独身女性」は日本中に大勢いるが、鳴海のように「終活」をすでに意識して生きている人はあまり多くないように思う。
鳴海は美術館学芸員として働き、日々の楽しみはアイドルグループ「5and more」の「推し活」。いわゆるドルオタと呼ばれる「アイドルおたく」だ。購入したマンションには長年、一緒に暮らしてみたかった猫=ブリティッシュショートヘアの魯山人と暮らし、毎日のほほんと楽しく生きていた。これから恋人を作って結婚することを「面倒」だと考えている35歳だ。
実はネット上には「鳴海ってリアルで言うとオカリナだよね?」という声があがっているのをご存じだろうか。
オカリナとは、お笑いコンビ・おかずクラブの看護師資格を所持している「小さくてジブリ作品に出てきそうな感じのほう」。吉本興業の新人養成所NSC東京校に通っている頃に、「好きなことをして自分を30秒間アピールする」という授業で「30秒間オカリナを吹き続けた」ことからこの芸名になった。
学生時代からマンガやアニメが大好きだったが、2018年放送のドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)にどハマリ。19年公開の映画「劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」は73回も映画館で観賞したと公言しているから、このエピソードを聞けばオカリナの「推し活」がどのようなものなのか、よくわかるだろう。
現在、綾瀬と同じ40歳のオカリナは、昨年8月に自身のYouTubeチャンネル「おかずくらぶチャンネル」で、交際経験がなく「1人の寂しさも2人の楽しさも知らないから全然平気」と明かしたことで多くの人々から共感を呼んだことを覚えているだろうか。ドラマ「ひとりでしにたい」の鳴海が「リアルにオカリナ」と指摘されるのも当然かもしれない。
中学2年生の時に祖母を脳梗塞で亡くし、初めて「死」を身近に感じたことがきっかけで、両親が老いた時に自分が援助したいと看護職を志したオカリナ。まさに鳴海は「ドラマ版オカリナ」と言えそうだ。
(森山いま)
