【べらぼう】横浜流星“蔦重”がチラリと見せた妖艶な「まなざし」に“「べらぼう」が「国宝」になった!”
8月3日放送のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第29話「江戸生蔦屋仇討」を視聴した人々から称賛の声があがっている。その理由は、「べらぼう」のチーム全員が折り返し地点とも呼べるこの日の放送で、箸休めになるけれど豪華特典のような「視聴者サービス劇中劇」を披露してくれたからだ。
蔦重(横浜流星)が北尾政演(古川雄大)とともに手がけ、大ヒットした黄表紙「江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)」を、「べらぼう」チームが作中劇として演じてくれたのだから、本当に楽しかった。
大金持ちの一人息子で“甘い汁”しか吸ったことがないバカ旦那=主人公の艶二郎が、浮名を流すことに躍起になるというストーリーだ。
「腕に何度も女の名前を墨で入れてこそ色男」と言われれば、そんな女などいないくせに、痛い思いをして入れ墨を入れては消してを繰り返す。「色男は殴られる」と聞けば、金で男たちを雇って「殴られたふり」をする。ところが本当に殴られてしまい、卒倒してしまったことも。さらには「花魁の間夫(マブ)こそが色男」と耳にすれば、仲間に金を渡して花魁を揚げさせ、自分は金のないふりをして待つのだが、最終的には店側に大金を支払い「行ってらっしゃい」と見送られながら「駆け落ち」する。しかし大した評判にはならず“苦い汁”を飲まされることになるという「オチ」がつく。
特に見ものだったのは、ロングラン公開中の映画「国宝」が絶賛されている横浜が、「江戸生艶気樺焼」を執筆している政演(古川)に、妖艶なまなざしでしなだれかかるシーンだろう。「国宝」で叩き込まれたと思われる女形の艶っぽさを一瞬で発散させ、次の瞬間にはいつもの蔦重らしい変顔をして見せたのだが、ネット上には視聴者から「ほんの一瞬『べらぼう』が『国宝』になった!」とする声が相次いだ。また、「上演時間が2時間50分もあると聞いて観に行ってない『国宝』。蔦重のおかげで観た気になった。頻尿問題がある妙齢女性は観に行きたくてもトイレに行きたくなりそうで観に行く勇気が出ない」「有吉弘行も言ってたけど上映時間2時間50分はハードル高い。途中でトイレに行きたくなりそうで怖いのもある」といった「トイレに行きたくなりそうだから『国宝』を観に行っていない」とする人が、「国宝」をかじった気にさせてもらったようだ。
「国宝」を観に行けば横浜が「べらぼう」で見せたあの妖艶なまなざしを大きなスクリーンで観ることができるが、NHKプラスで何度も「べらぼう」を視聴すれば、妖艶な横浜を1週間だけ独り占めできるという楽しみ方も捨てがたい。
(森山いま)
