ChatGPT「最新バージョン」が“酷評の嵐”! AIが「そっけない性格」に豹変したウラ事情とは
米企業OpenAIが提供する生成AIサービス「ChatGPT」の最新バージョン「GPT-5」が8月7日に登場。発表会見で同社のサム・アルトマンCEOは、前モデル「GPT-4」は「大学生レベルの知性」。さらに前の「GPT-3」が「高校生レベル」だったとした上で、今回の最新バージョンを「博士号レベル」だと自信満々に語った。
1年3カ月ぶりの新モデルとあって、世界中のユーザーが一斉に飛びついた「GPT-5」だが、蓋を開けて見るとまさかの反応が―。生成AI事情に詳しいITジャーナリストが語る。
「確かに、最新モデルでは間違った回答をするケースが大幅に減り、より高度な文章作成やプログラミングが可能となった。開発段階で数学オリンピックの問題も解いていることから、博士号レベルの賢さというのも誇張ではないでしょう。ただ、性能面とは別の理由で“酷評の嵐”。世界中で『改悪ではないか』との指摘が相次ぎました」
酷評の背景にあるのが「AIの性格変化」だ。
「前モデルは利用者に寄り添った回答が特徴的で、悩み事を相談すると前向きに励ましてくれる傾向がありました。日本でも『ChatGPTが最高の友達になった』と多くのユーザーがSNSで絶賛していたのですが、今回のバージョンでは、こうした『AIの性格』が変わってしまった。『最高の友人』を失った悲しみを嘆く声が噴出しているんです」(前出・ITジャーナリスト)
最新モデルではどのように変化したのか。
「一言でいうと『そっけない性格』ですね。悩みを伝えても積極的に応援してくれず、一通りの解決策を提示するだけ。回答は間違ってはいないものの、一気に人間味が消えてしまいました」(前出・ITジャーナリスト)
ChatGPTが“冷たくなった”理由として、同ジャーナリストは「開発するOpenAIが意図的に対応した結果ではないか」と指摘する。
「近年、海外では生成AIにどっぷりとハマった結果、生活に支障をきたす『AI依存』が社会問題として認知されるようになった。あまりに人間味のあった前モデルには『依存を悪化させる』との批判もあったんです。その結果、新モデルでは一定の距離を取るように設計されたのでしょう。しかし、あまりの酷評によりわずか数日でOpenAIは前モデルも使えるように仕様を変更しています」(前出・ITジャーナリスト)
もはやAIなしでは生きられない時代を映す現象、といったところか。
(塚原真弓)
