元NHKアナ・中村克洋「人生を動かす“顔”パワー」講座/夢を叶えるための「顔のトリセツ」②「5W2H」の“具体的な夢”を見るべし!!
例えばあなたが、「社長になりたい」という夢を実現しようとしたら、あなたは、どんなステップイメージを描けばいいのでしょうか?
「社長になりたい」だけでは、漠然としていて、なかなかイメージがつかみにくい。できる限り具体的に、
「大学は情報系の工学部、卒業後システムエンジニアとして経験を積み、30代には『ロボット開発の会社』を立ち上げる、会社は東京郊外、社員20人くらい、年収2000万円くらい」
ここまでくればより具体的です。このように、なりたい社長の“イメージ”を詳しく具体的に描くと、すみやかな“夢実現”ができます。
夢を「詳しく具体的に見るいい方法」があります。「5W2H」を利用する方法です。これは、アナウンサーがインタビューの心得として必ず教わるものです。
アナウンサーの新人は、「ハイ、イイエで答えられる質問はするな!」と教えられるのです。「楽しかったですか?」「朝食はおすみですか?」「車を持っていらっしゃいますか?」などはみんな、相手の答えは「ハイ」か「イイエ」で終わってしまいます。そして会話はストップ。これ以上の進展はありません。これではインタビューにはなりません。
では、「ハイ、イイエ」で答えられない質問とは、いったいどうすればいいのでしょうか。「5W2H」で質問すればよいのです。「5W2H」とは、What(何が)、Why(なぜ)、Who(誰と)、Where(どこに)、When(いつ)、How(どのように)、How Much(どのぐらい、いくら) の7つの疑問形のことです。どの質問をされても、「ハイ、イイエで答えられないものばかり」です。相手は、「何らかの具体的な情報(イメージ)を答える必要」があります。
たとえば、「社長」のイメージを以下のように自問自答してみましょう。
「何の会社の社長なのか?そのためには何が必要か?」(What)
「なぜその業種なのか?」(Why)
「ヒューマンネットワークは誰と?」(Who)
「会社はどこに作るか?事業展開はどこ?」(Where)
「会社設立はいつごろ?そのためのタイムスケジュールは?」(When)
「社長になる方法、プロセスは?」(How)
「どれくらいの規模の?」「資本・年商はどのくらい?」(How Much)
…など、「5W2H」を使えば結構たくさんのイメージを描くきっかけをつかむことができます。たくさんの問いかけに“晴顔”で楽しく答えていくうちに、夢はより詳しく、より具体的な“いいイメージ”になっていきます。そして、それは、多種多様なステップイメージを結ぶことができるし、私が“マネッシーくん”と呼んでいる「イメージをマネする神経細胞」も、それをたくさんマネすることができて、実現もしやすくなるというわけです。
■“晴顔”で“夢”を見続けよう(できるだけ)
“晴顔”で、夢を見続けていれば必ずステップイメージが夢につながります。“マネッシーくん”は、いつもあなたの背中をそっと押し続けているのです。みなさんも“夢を見続ける”のがそんなに負担でなければ、やはり見続けて下さい。
ただし、ムリをして夢を見続ける必要はありません。“楽しむ”ことができなくなったら、即、撤退! 楽しくなければ、快感がなければ、“夢”とは呼べないのです。楽しめない夢は、実現も難しいから、直ちにやめて、もっとすばらしい、楽しめる夢に「チャレンジ」すればいいのです。それまでの経験やクリアしてきたステップイメージは、きっとまた、いつかどこかで、必ず花開くことになります。ウォルト・ディズニーさんもこう言っています。
「勇気を持って、夢を求め続ければ、すべての夢は必ず実現できる」
●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」
