【DOPE】中村倫也“陣内”の厨二病的先輩キャラを堪能しつつ【ぽかぽか】堤真一を立てまくる後輩キャラを反芻したい
放送中の「DOPE 麻薬取締部特捜課」(TBS系)を見ていると、W主演の高橋海人も中村倫也も役者として武骨でカッコいい面を引き出してもらっているドラマだとつい感心してしまうことが多々ある。8月22日に放送の第8話は、内容的にいえば新木優子演じる綿貫光がメインの回だったが、才木優人(高橋)と陣内鉄平(中村)の“バディ感”を再確認させられる回でもあったと思う。
この日の放送でラストシーンまで、黒フードを被って通り過ぎるシーンはあったものの、陣内の正式登場はなかった。ネット上に「今回、陣内は出ないの?」と驚きの声があがり始めた、放送終了までおよそ1分になってやっと、「久しぶりだな」と陣内は才木の目の前に登場。2人はただ見つめ合うだけだったが、それだけで間を持たせることができたのは、これまでに2人がしっかりと関係性を紡いできたからだろう。
こんなふうに“厨二病的”な陣内(中村)は、言うまでもなく才木の先輩にあたるキャラだが、私の目には中村が高橋を目立つように、前に出るように操っているように見えて仕方がない。もしかすると、8月19日放送の「ぽかぽか」(フジテレビ系)で、リアルに大先輩である堤真一と生出演していた時に中村が見せた、「すさまじく先輩を立てる後輩力」がまぶたの裏に焼き付いているからかもしれない。
中村はこの日の放送で、自分は名指しされない限りしゃべることはなく、かと言って黙っているわけではなく、堤のトークには合いの手を入れ、野球ゲーム「プロ野球スピリッツ」で「ぽかぽかチーム」と戦った時も、自分が打席に立って普通に打てば勝利できたシーンであえて敬遠。堤を打席に立たせて「堤が打ったから勝利した」と持っていき、夫を支える健気な妻のように堤を支えていたのだ。
自分が前に出るより誰かを前に出す引く演技が上手な中村と、前に押し出されたら張った演技ができる高橋をキャスティングした時点で、「DOPE麻薬取締部特捜課」は成功を約束されたも同然と言えるのではないだろうか。
原作小説にはないこれからの展開こそ楽しみだ。
(津島修子)
