霜降り明星・粗品「素人罵倒ソング」が“批判の対象”にならない「チョコプラ松尾との決定的な違い」
ネット上で大騒動となったチョコレートプラネット・松尾駿による「素人はSNSをやるな」発言。9月18日にコンビそろって「丸刈り謝罪」動画を公開したことにより、一段落したものの芸人コミュニティにおける「一般人見下し」の問題は根深い。お笑い関係者が語る。
「『有名人以外はSNSをすべきではない』という主張だけでなく、一般人を『素人』呼ばわりしたことが、大きな反感につながったのは間違いありません。明石家さんまや松本人志、千原ジュニアら、お笑い業界には『素人』という言い方を多用する芸人は少なくありませんが、そこに歪んだ特権意識を感じる視聴者は少なからずいるのではないでしょうか」
さらに同関係者は「元来は、芸人がみずからを『社会のアウトサイダー』と卑下したうえで、一般人を『素人』と呼んでいたんですが、言葉の持つ意味合いが近年変わってきてしまった。今回の松尾の発言も『タレントやアスリートは選ばれた存在である』と言わんばかりの言い方になってしまっていた」と指摘する。
そんな中、松尾の問題発言どころではない「素人罵倒ソング」を発表していたのが霜降り明星の粗品だ。
「9月10日に、粗品は自身の本名である『佐々木直人』というアルバムをリリース。そこに『粗品のテーマ』と題した楽曲があるのですが、これが“ド直球の素人罵倒ソング”なんです」(前出・お笑い関係者)
「消え去れ素人、大人しく寝とけ」とのフレーズで始まる同楽曲。その後も「お前、俺の幸せな人生の邪魔でしかないんじゃボケ」「異常な雑魚」「ええことないねやろ、普段生活してて」など罵倒のオンパレードなのだ。
もっとも、前出・お笑い関係者によれば、「松尾とは違って粗品の曲は批判の対象になりようがない」という。
「この曲で粗品は『素人』だけでなく、卑怯者のはびこる芸能界も含んだ社会全体をコキ下ろしているんです。いわば全方向への罵倒で、特権意識の介在する余地のない“魂の叫び”に仕上がっていました」(前出・お笑い関係者)
罵倒を芸術に昇華させた粗品であった。
(塚原真弓)
