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ライフ
2025/10/06 07:15

元NHKアナ・中村克洋「人生を動かす“顔”パワー」講座/顔のサイエンス⑤ 30羽のペンギンを見分けられる人がいる!

ライフ
2025/10/06 07:15

 3つの点の“顔の絵”(左側)に、わかりやすく“顔の輪郭”を描き加えてみました。私たちには、この3つの点は、両目と口に見えるのですが…、鼻がありませんね。鼻はどこへ行ったのでしょう。

 それでは、左の絵を少し加工してみましょう。耳とヒゲを書き加えました(右側の絵)。ネズミでもネコでもいいのですが、人間以外の“動物の顔”だと思ってください。両目の下の点は何に見えますか?鼻に見えませんか? 不思議なことに、3つの点が、ヒトの場合は目と“口”に、動物の場合は目と“鼻”に見えるのです。では、動物の口はどこへ行ったのでしょうか?

 ヒトの顔に「目と口」が見えるのは、ヒトの顔コミュニケーションが、「目と口」、つまり“まなざし”と“口の形”が作り出す「表情に大きく依存している」証拠だと私は考えています(ごく最近“ことば”も加わりました)。ヒトのコミュニケーションでは、鼻はあまり意味を持たないのではないでしょうか。

 一方、動物にとって口は、補色や戦いの“武器”であり、普段は隠すべき存在なのです。動物にとっては、口よりむしろ強力な嗅覚を持つ鼻のほうが、コミュニケーション手段としては大切なのです。だから、「ヒト以外の動物では、3つめの点が鼻に見えている」のではないでしょうか。

 いずれにせよ、ヒトの「顔認識能力」は並外れています。あらゆる喜怒哀楽やその他の感情の組み合わさった“顔”を、私たちは読みとってしまうのです。そのうえ、どんなに微妙な変化でも、それを余さず読み取れる。だから、識別できる顔の数は無限大と言ってもいいと思います。どうしてそんなことができるのかというと、「認知心理学」によれば、「“顔の各部位を強調する”ことによって識別、認識をする能力」がヒトにはあるのだそうです。

オリジナル

 たとえば“ペンギンの顔”。みなさんは同じ種類のペンギン30羽の顔をすべて覚え、区別することができるでしょうか?動物園や水族館の飼育員の方はこれができます。その“顔”から、そのペンギンの名前はもとより、親戚関係や生いたち、恋愛遍歴、性格まで、すべての情報が浮かんでくるのだそうです。特に性格については「“そんな性格の顔”をしている」というのです。

「顔で性格を判断できる」としたら、逆に言えば、「ヒトも“性格に見合った顔”をする」ということでしょうか?ちなみに、「顔を変えれば性格を変えることができる」ことについては、本連載でも「顔と性格③“フレドリクソンの法則”で性格を作り変える!」(2025年5月12日配信)などで、これまでたくさんの実例を科学的な理由をつけてお伝えしてきました。

 ともあれ、ペンギンに限らず、我々は、その気になれば(というか、それが「好き」であるか「興味」があれば)、一見同じに見える「同種類の動物の顔」を見分けることができる可能性があるのです。アフリカの大平原に草をはむ“ヌーの顔”も、沼地に群れている“フラミンゴの顔”も、頑張れば見分けることができるのかもしれません。ちなみに、「認知心理学」によれば、ヒトの脳は一般的に、1000人以上の人の顔を記憶できるということです。「顔認識」のエキスパートであるホテルのドアマンは、3000人(多い人は5000人)の顔を記憶できるといわれています。“顔”に対する私たちの能力には、「顔認識」に限らず、まだまだたくさんの潜在能力が隠されているように思います。

 次回は「欧米人の極端なマスク嫌いの謎」に迫ります。

●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」

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