浅田真央の引退発表から、世界中からねぎらいと惜しむ声が引きもきらない。ここにきて、その声をさらに大にしているのが、フィギュアスケートのルール改正だ。
「ISU(国際スケート連盟)では、平昌五輪後に部分的なルール改正を行います。18‐19シーズンから演技時間やジャンプの数、出来栄えに加点するGOEなどについて導入される予定ですが、実は22年の北京五輪後を見据えて、新しい競技方式についても検討しているというのです」(スポーツライター)
現在はSPとFSの2つのプログラムで、テクニカルな要素を現す技術点と、芸術性などの表現力をはかる演技構成点の2つの要素を総合して評価する仕組みになっているが、これをドラスティックに変える案が浮上しているのだ。
「検討中の新方式では、評価をより明確にするため、プログラムを技術要素の評価に重点を置く『テクニカル』と、より自由な演技で技術点に上限を設けて表現力の得点比重を高める『アーティスティック』(ともに仮称)の2つのプログラムに分けるというのです。技術力の高い若い世代に点数で圧倒され、年を重ねるほど磨かれる高い表現力が評価できない現在の方式を改めるということのようです。さらに新方式では、テクニカル、アーティスティックのどちらかのみ出場することも可能にするのだとか。現状ではジャンプが上手でない選手はどうしてもトップに食い込めないことが多かったのですが、これからは表現力を武器としても戦えるということです」(前出・スポーツライター)
浅田が現役のタイミングにこの方式が導入されていれば、違う目標を持って次の五輪に挑んでいたかもしれない。新方式についてはまだ協議中だが、これからの選手寿命が長くなることを考えても、ぜひともよい方向で決まってほしい。
(芝公子)