2016年には過去最高の2400万人を突破したインバウンド人口。ここ数年、こうした訪日外国人観光客などを対象にした民泊が盛り上がっていますが、実は民泊は、法的には「グレー状態」であることをご存じでしょうか。
宿泊施設を提供するビジネスは、「旅館業法」で施設の面積や設備などのいくつもの規定をクリアし、行政の許可をもらわなければならないと定められています。ですが、民泊施設は許可をもらわずに運営しているところがほとんど。しかし、観光客が増えるに従って、ホテルなどの宿泊施設が足りなくなっていることもあり、行政側も厳しくは取り締まっていませんでした。
そんなわけでグレーな状況にあった民泊ですが、2016年に政府は、民泊についてのルールを定める新法を盛り込んだ規制改革実施計画を閣議決定。法整備がどんどん進んできています。
こうした状況について『特区民泊で成功する!民泊のはじめ方』の著書で、民泊運営アドバイザーの新山彰二氏に話を聞くと、
「これまでも旅館業法違反で民泊業者が摘発されるケースはいくつかありました。法整備が進んでいくとともに、法律に違反している状態の民泊は今後、取り締まりが厳しくなっていくと予想されます」
とのこと。では民泊に興味がある人はどうしたらいいのかというと、
「現状ですと、旅館業法で定められた簡易宿舎として運営するか、旅館業法の特例を認める特区民泊で始めるかのいずれかだと思いますが、マンションの1室からでも始められる特区民泊のほうがハードルは低いと思います」
現在、特区民泊の条例が制定されている地域は大阪と北九州、そして東京大田区だけですが、今後は関東圏や関西圏の大都市や、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市や北九州市、沖縄県など、徐々に増えてくる可能性が高いそうです。(Airbnbを始めるなら「特区民泊」で! そのコツ【2】につづく)