「アキラとあきら」池井戸潤さんインタビュー(前編)「ふたりとも、イケメンだったんだなぁ」
〈倍返し〉の決め台詞で知られる敏腕バンカー「半沢直樹」、型破りな銀行員女子「花咲舞」など、人気キャラクターが活躍する作品で知られる作家・池井戸潤さん。現在、ベストセラー1位を独走する新作『アキラとあきら』も、凛々しい銀行員たちの物語です。7月9日からWOWOWでドラマ化されるこの作品、実は「お蔵入り」寸前だったとか……?
──町工場の息子・山崎瑛(あきら)と名門企業の御曹司・階堂彬(あきら)。同じ名前を持つふたりの銀行員が活躍する物語ですが、どうしてお蔵入りになりかけたんですか?
池井戸 もともとは雑誌で連載していて、2009年にいったん書き上げていたんですが、出来が気に入らなくて放置していたんです。そうしたら、信頼しているドラマプロデューサーから映像化したいというお話をいただいた。その方がとても熱っぽく褒めてくださるものだから、じゃあ世に問う意味もあるのかなと……。それで小説のほうも、大幅に書き直して出すことに決めました。
──以前に書いた作品を、時間が経ってから書き直すのは、難しくなかったですか。
池井戸 僕はミステリー小説でデビューしたんですが、ここ10年は、ストーリーではなく人物重視で書くというふうに書き方が変わってきた。『アキラ~』は、もう現在と同じ小説観の上にある作品でしたから、そう違和感はありませんでした。でも、登場人物の子ども時代をこれだけ長く書いたのは初めて。青春小説への挑戦になったと思います。
──家業の倒産という逆境に耐えた瑛と、後継ぎを期待されながら夢を貫いて銀行員になった彬。宿命に負けずに生きていくことの大切さが、この作品のテーマなのでしょうか。
池井戸 僕の小説には、基本的にテーマはないんです。あるのは、シチュエーションと登場人物だけ。テーマを立ててしまうと、物語が固く、小さくなってしまうように思うんですね。ですから、登場人物たちのことを本当に生きている人たちだと思って、見つめて書いていく。そのことだけを考えていました。
──ふたりとも、すごくカッコいいです。
池井戸 それは、向井(理。階堂彬役)君たちのことじゃないの?
──いえいえ! 本当に純粋な好青年たちで。
池井戸 そうですか(笑)。まあ、作家からすると、ちょっとダメだったりする人のほうがよりリアルで、魅力的ですけどね。小説を書くとき、あまり外見のことは描写しないし、俳優さんについても知識が乏しいので、「この人に演じてほしい」というのは、僕にはないんです。だから、ふたりがイケメンなのも「そうだったんだ」という感じで。
──そういうものなんですね。
池井戸 小説は山崎瑛が主人公になっていますが、ドラマは階堂彬の物語を軸に展開するそうです。僕も楽しみにしています。 (後編に続く)
◆プロフィール 池井戸 潤(いけいど じゅん)1963年岐阜県生まれ。98年、『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2011年、『下町ロケット』で直木賞を受賞。代表作に「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』)、『空飛ぶタイヤ』『鉄の骨』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット2 ガウディ計画』『陸王』がある。『陸王』は10月からTBS系で連続ドラマ化、映画『空飛ぶタイヤ』が来年公開予定。
『アキラとあきら』
池井戸潤
徳間文庫 1000円(税別)
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