最近、ある女性誌が「女の市場価値はいくつまで?」というテーマのウェブ記事を削除しました。理由は、女性の価値が年齢で判断されることや、女性を商品化するような書き方であることがSNS上で批判されたことによるものです。
こうした現象は最近ではよく見られ、5月には「いつの間にか『女磨き』をおろそかにしていませんか?」と謳った化粧品会社の広告に対して「女磨きを強要されている気分になる」と批判が寄せられ、この広告が取り下げられています。
女性スタッフも多いであろう女性誌や化粧品会社でも、ここ数年ではこのように女性側からの批判を受けて、記事や広告を取り下げるケースが出てきています。
こうした状況には、企業だけでなく個人でも気を付けなくてはならないようです。SNS事情や現代人のライフスタイルに詳しいライターはこう話します。
「悪意がなくても悪意があるようにとられることがあるのがSNS。子育て世代の女性が『いつまでもキレイでいたい』と美容ネタを書き込めば、『子育て放棄して自分磨きですか』『女性はキレイじゃなきゃいけないという考え方はおかしい、差別助長につながる』『育児と美しさを両方求められる苦しさから解放されるべき』と全然知らない人に批判されることもあります」
「ジェンダー論」は活発になってきているものの、実際には女性の社会での立場や、男性側の意識が変わらないことに、女性たちは苛立ちを感じており、それが同性にも向けられ始めているそう。
「つまり、女性側が全員意識を同じくして、一致団結して立ち向かわないとダメ、というふうになってきているんですね」(前出・ライター)
とはいえ、同じ女性でも考え方、価値観は人それぞれ。そこまで敏感になっていたら何も発言できない‥‥と考える人も多いでしょう。
でも、知らない人に批判をされるのは気分がよくないし、恐怖を感じることもあります。気を付けるべきポイントは何でしょうか。
「年齢と美容、ファッションに関して、“こうですよね”“自分はこう思います”と自分の主張を書くのは危険です。例えば、育児をしながらでもキレイであるべきとか、年齢に合ったメイクをしたほうがいいとか。書くなら、『今日はお気に入りのリップです』とか『新しい服を買って気分が上がりました』くらいの、あくまでも個人的な事実や感想が無難です」(同ライター)
少し窮屈にも感じますが、SNSを使う際にはこうした自己防衛も必要ということですね。