NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の33話「嫌われ政次の一生」の感動が冷めやらない。高橋一生演じる小野政次が壮絶な最期を迎えたのだが、「いまだに引きずっている」「悲しくてやりきれない」という声が引きも切らないのだ。
幼馴染の直虎と政次。政次は幼少のころから直虎のことが好きで、欺いているように見せかけて陰ではずっと支え続けてきた。直虎の代わりに牢に入れられた政次は「こうするために生まれてきた」と言い、白い碁石を直虎に託す。そして磔のシーンで直虎は「私が送ってやらねば」と苦しまないよう心臓を一突きに。最期の「地獄に落ちろ」「地獄から見ていてやる」といった罵声の応酬は、大河史上最高に「残酷なラブシーン」として話題になった。
そして放送3日後の23日には、ソニーミュージックから小野政次追悼CD「鶴のうた」が発売され、店頭売り切れが続出。急きょ追加生産されることが決まった。「鶴のうた」には、「対局」「幼き思い出」「天つたふ日」などドラマを見ていた人にはたまらないタイトルの曲が並んでいるため、“政次ロス”の視聴者が大挙して購入に走ったようだ。
同CDは「直虎」の音楽を担当する作曲家の菅野よう子氏が、台本を読んで衝撃を受け、「本当に政次を愛する人と共に哀悼の意を捧げたい」と自ら企画。政次が命を全うするまでを14曲に込め、高橋一生の禅語の朗読も収録され、初回盤には小野政次のミニ写真集「政次 命」(24ページ)も付属している。
高橋一生本人も、「この役を演じている時に、今が最高に幸せ、もう死んでもいいと思える瞬間が何度もあった」「これからの人生にも大きくかかわる」とインタビューで語っており、最後の日は現場を去りがたく、挨拶が長めになったという。小野政次は長い大河史の中でも、最も愛される人物の一人になったに違いない。