9月8日にジャニーズ事務所を退所した香取慎吾について、これまで制限されていたネット上への写真掲載が、9月9日以降に撮影された写真については解禁されることになった。9月12日付の日刊スポーツが、香取の代理人を務める弁護士から回答を得たと報じたもの。
香取が所属していたジャニーズ事務所は所属タレントの肖像権管理に厳しく、簡単にコピーできるネットにはタレント写真の掲載を禁止。自社の公式サイトにすら載せないという徹底ぶりを貫いていた。それが退所に伴って解禁されたわけだが、そこに「9月9日以降の撮影」という条件が付くのはなぜなのか。知財関連に詳しいIT系ライターが解説する。
「ジャニーズ事務所との契約が切れた9月9日以降なら、香取本人の承諾があれば撮影時期に関わらず、どの写真でも自由にネット掲載できそうなものです。しかしここで問題になってくるのが『肖像権は誰に帰属するのか』ということ。実は肖像権は被写体本人に帰属するとは限りません。9月8日以前の写真については、いまでもジャニーズ事務所に肖像権が残っているのです」
これは一体どういうことか。その参考になるのがプロスポーツ選手のケースだ。日本ではプロ野球選手の肖像権は各球団が、Jリーガーの肖像権は日本サッカー協会が一括して管理している。10年には日本プロ野球選手会が肖像権の帰属を巡って裁判を起こしたものの、最高裁にて肖像権は球団に帰属するとの判決が下されている。
同様に芸能界においても、芸能事務所との契約下にあるタレントの肖像権は事務所側に帰属するというのが一般的な解釈だ。それは退所後にも変わることはなく、香取の場合もジャニーズ在籍時の写真はあくまで、事務所側が肖像権を持っているというわけである。
見方を変えれば「SMAPの集合写真」はいまでも、ネット掲載は不可ということになる。もし今後、SMAPが再結成されることがあっても、その時は木村拓哉と中居正広を写さない角度での写真だけが、ネットに掲載されることになるのかもしれない。
(白根麻子)