9月22日放送の情報番組「スッキリ!!」(日本テレビ系)で、MCの極楽とんぼ・加藤浩次が金曜レギュラーコメンテーターの編集者・山本由樹氏に猛烈反論する一幕があった。
番組では安室奈美恵の引退について、カラオケ店で安室の曲の選曲が増えたり、CDショップで安室の特設コーナーが設けられたりする様子を報じた。
すると山本氏は「閉店セールってあるじゃないですか。延々閉店しないお店とか。1年間、閉店セール、ビジネスとして上手だなと」と安室の引退までの1年を「閉店セール」と評した。これに加藤は「それは違う」と即座に反応。「閉店セールっていうのはダメになった店が、在庫を売り切ろうとすることだから。安室さんは下がってないから」と、異を唱えた。
だが、「山本氏の言い分にも一理ある」と音楽ライターは言う。
「引退発表の翌日には、音楽配信サイトでは上位30曲中、安室の曲が12曲もランクイン。楽天ブックスのCDとDVDの売り上げは前日比30倍に跳ね上がり、所属事務所と所属レコード会社を傘下に置くエイベックス・グループ・ホールディングスの株価は前日の終値から27円高の1488円と上昇しました。ベストアルバム『Finally』を11月8日に発売することも発表され、すでにAmazonのミュージックカテゴリーの1位になっている。安室は03年以降、ほぼ2年おきにアルバムをリリースしており、前作の『_genic』が15年6月だったことからファンの間でも『そろそろ次のアルバムが来るはず』とささやかれていた。その作品がベストアルバムで、タイトルが『Finally』(=「最後に」の意)となれば、引退を考慮してのものと感じる人がいてもしかたがないでしょう」
ファンの間では、いきなり引退されるよりはちゃんとお別れツアーをやってくれたほうがいいという声も聞かれる。山本氏が言う「閉店セール」には当たらないとしても、「引退特需」は確実に訪れているようだ。
「ファンや関係者の間では、12年以来となる全国5大ドームツアーに期待が寄せられています。CD離れで経常利益が3年連続で減少しているエイベックスにとっても、高い利益率を見込める大型ライブを行いたいところでしょう」(前出・音楽ライター)
前回のドームツアーでは7800円だったチケット代も、今回は引退を加味して値上がりする可能性が高い。経済効果は1000億規模とも言われる安室の引退は、今後1年間、各所に特需をもたらしそうだ。
(白根麻子)