これまでにない“ユルい芸風”を作り上げた「さまぁ~ず」は、来年で結成30周年目に突入する。そのメガネの方、大竹一樹には男気あふれるエピソードが残されている。
その伝説を明かす前に、まず彼らの後輩芸人を紹介しなければならない。アンバランス・山本栄治だ。かつてはイケメン芸人としてもてはやされた黒川忠文とコンビを組んで四半世紀。90年代のボキャブラブームでは番組出演が多かったが、古株アラフォーとなった今は、テレビで観ることがほぼなくなった。スポーツ新聞の芸能記者は言う。
「お笑いファンでもかなりのツウでなければ、アンバランスの名は知らないでしょうね。2人は、結成した翌年(1993年)からおよそ18年半、『ごきげんよう』(フジテレビ系)で前説を務めていました。話術に長けている山本が、同世代の雨上がり決死隊やナインティナインと今でも交流があるのは、前説で培ったスキルと人柄でしょう。しかし周知のとおり『ごきげんよう』は終了。山本は元モデルの妻と離婚し、現在は大手の太田プロダクションに移籍しています。やはり『ごきげんよう』の終了によって安定収入がなくなったのは大きかったようです」
そこで昨年1月、東京・六本木に「BAR ACT」をオープン。自身が代表取締役に就任して、芸人をスタッフに雇用した。六本木という土地柄、お高めの価格設定だが、ご祝儀で来店した大竹は、大物芸能人らしい酒の飲み方をしたという。
「友人数名で来た大竹はお会計のとき、『山本、俺からはボレ』と芸人らしい台詞を吐いて、なんと倍の金額を置いて帰ったそうです。しかも、店を出るときに『この店、ボッタクリだな』と笑わせることも忘れず。このことを『内村さまぁ~ず』(TOKYO MXほか)で明かした山本は、心から大竹を尊敬している感じでした」(前出・芸能記者)
仕事で落ち込んだとき、「おまえはホントにおもしろいやつだと思ってるから、信じて、あきらめるなよ」と励まし続けた大竹。山本が今も芸人の看板を下ろさないのは、大竹の存在が大きいに違いない。
(北村ともこ)