近頃は「駅ナカ」が充実していて、改札の中でもデパート並みのグルメ、ショッピングが可能です。休日は1日かけて、東京⇒上野⇒新宿⇒品川……と回るだけでも十分に楽しめますが、まさか「初乗り運賃だけでOK」とお考えではないでしょうか?
「乗車券はあくまで、電車に乗車することに対しての料金なので当然ですが、運賃は発生します」(鉄道ライター・鼠入昌史さん)
また入場券で駅構内に入ったときには、時間制限があるのでご注意。
「たまに見かけるのが、見送るために新幹線の入場券で入った場合に、思わず発車まで車両内に入ってしまう人がいます。入場券は車両に立ち入ってはいけないので違反です。また、入場券には2時間の時間制限があるので、うっかり駅ナカを満喫しすぎると、追加の入場料金を払わなければならなくなります」(前出・鼠入さん)
乗車中にうっかり寝てしまい、定期の区間を過ぎてしまった場合、やはり追加料金を請求されるのでしょうか?
「それは大丈夫です。『誤乗』という専門用語があり、乗り過ごし分は請求されません。しかし、いかにも嘘をついていたり、常習だったり『悪質』とみなされた場合は、通常の料金の3倍を請求される場合がありますので、やはり不正はいけません」(鼠入さん)
では、定期の期限が切れているのに気づかず、何日か通勤にチャージを使ってしまっていた場合の払い戻しは可能なのでしょうか?
「乗ってしまった以上、払い戻しは不可能ですが、事前にSuicaの音声案内機能をオンにする登録をしておけば、例えば期限が14日以内に切れる場合に、改札通過時のタッチ音が『ピッピッ』に変わったりといったサービスを受けることができるので、駅係員に問い合わせてみてください」(鼠入さん)
いつも使っている電車も、知らないことがたくさんありますね。
「ちなみに、ダイヤの乱れで到着が遅れたからといって、払い戻しはできません。きっぷはあくまで『出発駅から目的地の駅まで行く』という契約で、時間までは含まれないのです。たまに『遅延で遅れたから払い戻せ』と駅員さんと揉めている人がいますけど、そんなことをしてもムダ。憂さ晴らしに駅員さんを巻き込むのはやめて欲しいですね」(鼠入さん)
エスカレーターは「東京は左に立つ」「大阪は右に立つ」と、歩いて登る人に道を開けるローカル・ルールがよく話題になりますが、本来、「エスカレーターは歩きながら登るのは禁止」というのもお忘れなく!