人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)の第5シーズンが終了し、早くも続編を切望する声が上がっている。最終回の視聴率は25.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。シリーズのこれまでの最終回視聴率は、順に第1シーズンが24.4%、第2が26.9%、第3が27.4%、第4が22.8%と、第3シーズンでピークを迎えたと思われたが、ここにきて復調した形になった。
医療ドラマは根強い人気があるが、その先駆けは大学病院内の権力争いを描いた山崎豊子原作の「白い巨塔」だろう。これは66年の田宮二郎主演による映画を最初に、67年以降はテレビドラマとして韓国版(07年)も含め5度も映像化されている。フジテレビ系の78年版は、主演の田宮二郎が最終回直前に亡くなったこともあり、31.4%の最終回視聴率を記録。それを超えたのが唐沢寿明主演の90年の同フジ系のドラマで、32.1%を獲得した。ただ、「ドクターX」のように開始から6年にわたり安定して高視聴率を得た医療ドラマは例がない。
では、医療ドラマの中で、これまで最高の視聴率を獲った作品は何か。
「それは86年のNHK大河ドラマ『いのち』です。橋田壽賀子脚本、三田佳子主演によるこのドラマは、第二次世界大戦終結直後からの激動の時代を生きた1人の女医を描いたもので、平均視聴率29.3%、最高視聴率は36.7%でした。もし『ドクターX』の第6シーズンがあったとしても、この数字を超えるのはかなり厳しいですが、今回の社会的な盛り上がりを見ると伸びしろはまだまだありそうですから、期待したいところです」(テレビ誌記者)
最終回で余命3カ月宣告から復活した主役の大門未知子よろしく、「ドクターX」の放送が復活するなら、ぜひ歴代1位の視聴率を目指してほしいものだ。